556: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/07/03(日) 20:45:18.87 ID:HMesxzsu0
『どういうことなんだッ!』
艦橋に怒号が響き渡る
あまりの声量に、手に持つ通信機が震えたような気がした
進路変更を指示してからの一号通信は、自分を責めたてる部下のものだった
『何で敵から逃げてるんだよ!』
船員たちの耳目が声の発生源である自分に集まる中で、通信の主、仙田は構わずに先を続ける
その問いは何とも耳の痛いものだった
彼を含めて、ここにいるのは命を賭してでも味方を助けようという気概の持ち主だ
当然、敵から背を向けて逃げるいまの指示をここ良く思うはずはない
だが、指揮官として無駄死にをする選択を取る訳にはいかなった
「少尉……」
仙田への返答に窮していると、小林に小声で呼ばれた
目が合った小林は渋い顔をしながら計器に向き直り、何やらスイッチに手をかける
今の状態で、仙田と話しても仕方ないと判断したようだ
いつでも通信をシャットアウトする準備は出来ているという合図らしい
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