569: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/07/18(月) 20:56:28.26 ID:+WK9hsMD0
「これは……」
その光景に言葉を失い、茫然と眺める
水を得た魚のように動きはじめた船員たちの姿に、喜びよりも驚きの方が大きかった
「あの2人、口でどうこう言うのは苦手ですからね」
そんな自分を見かねたのか、誰かが声をかけてきた
その方を向には、軽く口角を上げた大久保の顔があった
こちらの視線に気づいた彼は、井上達の方を目で示し、
「アレで少尉の気持ちに答えたつもりなんですよ」
冗談まじりにそう続ける
少し困ったように眉をひそめるその顔は、苦楽を共にしてきた仲間を見守る顔であった
「しかし、少尉……」
だが、友に向けられていた眼差しは直ぐにこちらへと差し向けられる
「一体、どうするつもりですか?」
観測手らしく鋭い目つきでこの後について問い、
「このままでは、自分たちの敗色は濃厚です」
「上手く立ち回ったとしても、まともに戦えば大破は免れません」
「こんな状況で勝ち目なんかあるんですか?」
続けざまに現状と予想される被害を報告してきた
しかし、生憎とそんなことはとうの昔に分かっていることだ
そもそも勝ち目があるのならば、最初から真っ向勝負を挑んでいる
などと、言い返したい気持ちが出てくるが、ぐっと抑え込んで首を横に振った
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