572: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/07/18(月) 21:04:49.20 ID:+WK9hsMD0
「繰り返すが、今回の作戦目標は消息を絶った艦娘の捜索と救助」
「敵との戦闘はそこには含まれていない」
「目標の遂行こそ、俺達軍人が真っ先に考えるべきこと」
「あの2人は知ってか知らずか、それをよく分かっていた」
「だから、俺も軍人らしく作戦目標を第一に考える」
ここまで聞けば、皆自分たちがどうするべきなのかは理解したのだろう
聞き耳を立てていた者はそれぞれの作業の続きへと戻り、大久保もしたり顔でこちらを見てくる
それを横目に、仙田たちへ発信を続けている小林に回線を回すように指示する
彼も何をするかは察したようで、それまで使っていた通信をそのまま明け渡してきた
「こちら艦橋の君嶋」
「至急、皆に伝えたいことがあって連絡をした」
スピーカーから流れる自分の声がやけに響く
まだ何処かで自分の下した決断に迷っているのかもしれない
その迷いを振り切るようにマイクを握る手に力を込めると先を続けた
「報告が遅くなってしまったが」
「現在、本艦は新手の敵から長距離砲撃を受けている」
「そして、ここまで長距離の砲撃能力を持つ敵艦を照合した結果」
「現状の我々の戦力で敵を沈めることは難しいと判明した」
「そこで現在、敵の砲撃から逃れるべく北東方面に進行中だ」
新手の敵の出現と現在の進路、仙田の件で延び延びになっていた報告を行う
この程度の事は現場の船員たちなら何も言わず分かっているだろう
しかし、報告を省けばそれだけ皆の不信感を買ってしまう
彼女を助けるためには、この船に乗る全員の力が必要不可欠だ
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