592: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/08/27(土) 20:45:42.93 ID:lyQ0MxM40
『……済みません』
『他に使えそうなものが無くて』
本来の通信機が破損してため、やむなくこの回線を使用したようだ
そんなことを少し声調を落とした声で話し始めると、
『少尉、このまま進路を南に固定してください!』
『それなら奴を出し抜けます』
突然強い口調で進路の指示をしてきた
「……どういう意味だ?」
いきなり発せられた彼の言葉に、その真意を探る
突然の要求でもあったが、何よりも彼が要求していることの意味が分からなかった
撤退を進言するにしても、南進では敵から逃げることは難しい
それに戦うべきでないというなら、仙田と一之瀬が出ていた段階でこの船を下りているはずだ
逆に、真正面からやり合うべきだという意見でも、このまま敵に肉薄して主砲で仕留めるのは間違ってはいない
なぜ進路を南に変更する必要があり、どうしてそれが敵を出し抜くことになるのか、全く分からなかった
『朝焼けの空を見て思い出しました』
『日の出前のこの時間、この海域には強い北風が発生するんです』
『それが起こるのがおおよそ日の出の2分前……』
『つまり、今なんです!』
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