606: ◆pOKsi7gf8c[saga]
2016/09/24(土) 22:49:14.65 ID:tZaL5E9A0
「負けて堪るかッ!!」
井上が咆哮を上げる
そして、渾身の力で舵輪を右へ回し始めた
艦橋には性能の限界を超えた急旋回を警告する警報音が響く
「旋回角度……46!」
「あと少しだ! 井上」
大久保も負けじと計器の数字を読みあげる
努めて冷静さを保っていた大久保だが、ここに来てその報告に熱を帯びる
もう報告と言うよりは井上に対する激励の意味合いの方が強いのかも知れない
「ぐっ……クソっ」
もはや限界まで右に回された舵輪はそれ以上右へは周らず、後は元に戻ろうとするだけだった
その反発力に抗う井上は、両手で1つハンドルを握りこむと全ての体重をかけて舵輪を抑え込もうとする
一歩間違えば舵輪が根元から折れてもおかしくないが、それでも力を緩めない
大久保や他の船員たちの期待に応えようと、渾身の力を籠めて舵輪を押さえつける
旋回が激しさを増し、さらに右舷側へと沈み込むを感じた時、
「船が……船体が傾き過ぎています!」
「これ以上は危険です!」
船員の1人がこれ以上の旋回は無理だと警告する
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