過去ログ - 少年「アメジストの世界、鯨と踊る」
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45:名無しNIPPER[saga]
2016/02/10(水) 00:25:14.42 ID:p9Ey+JtW0
姪「何だか、実感が湧かないな」タタッ
少年「……会ってすぐお別れだもんね」タッタッ
姪「……もっと早く、心を開いてればよかったなぁ」
少年「……悔やんだって仕方ないよ。僕だってそうだ」スッ
姪「……それ、渡したかったの?」
少年「うん」
姪「……まだ、間に合うよ」
少年「え?」
姪「……恩返し、出来るかな」
少年「どういう事? ……着いた」
白鯨「……」
――ありがとう、迎えに来てくれて。
少年「少女……」
姪「――おいで!」
鳥「……」
少年(鳥が出てきた!)
姪「この子は、渡り鳥……色んな所を渡っているんだ」
姪「このブレスレット、送ってくれない?」
鳥「!」コクン バサッ
少年「……あ」
少年(名前も知らない鳥が、僕のブレスレットをくわえて飛んでいく)
少年(彼女に渡したかった、大切なものが……朝焼けに染まる空を駆けてゆく)
少年(……ああ、本当に、僕は……恵まれてるんだなぁ)
――これが、言ってたプレゼント?
少年「うん、そうだよ」
――ありがとう、大切にするね。
少年「……少女」
少年「あ……その……」
少年(色んな感情がごちゃ混ぜになって、何を言えばいいか分からない)
少年(……ああ、なんだ。簡単じゃないか)
少年「――またね」
白鯨「!」
姪「また、一緒に話そうね……!」ポロッ
――ふふ。
――ありがとう。じゃ、行くね。
白鯨「……フオォオオォオォ――!」
――大好きだよ、二人とも。
ザプン……
少年(朝焼けの光を浴び、白い鯨は消えていった)
少年(……でも、僕は忘れない。彼女と過ごした日々を――)
少年「――あれ?」
少年(彼女に貰った不思議な石は、白っぽいただの石になっていた)
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