過去ログ - 少年「アメジストの世界、鯨と踊る」
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5:名無しNIPPER[saga]
2015/12/11(金) 00:05:52.56 ID:76dgE6bS0
店主「やあ、久しぶりだね。大きくなったなぁ」
少年「久しぶりですね。どうやら僕と同じくらいの歳の子がいるって聞いたんですけど」
店主「ああ、姪の事? あの子は今はちょっと出かけてるよ。ごめんね」
少年「そうですか……」
店主「この島を見て回るって言ってたから、どこかで会うかもしれないな」
少年「分かりました。ありがとうございます。失礼します」ペコッ
店主「……あの白い鯨を見た子がねえ……大人になったもんだ」
少年(……懐かしいな、この道)ザッ
少年(身体が道を覚えてる)
少年(この森も、この川も……そして)
ザザアァアァン……
少年「――帰ってきたよ、少女」
少年(この眺めも)
少年「さすがにあの秘密基地は無いなぁ……眼鏡さんはどうしてるんだろ?」
少年(彼女は今、何をしているんだろう)
少年(笑って生きているだろうか)
少年(あの時にくれた不思議な石、今も持ってるよ)
少年(……あの大切な夜だって、ちゃんと覚えてるさ)
少年(何も変わっていないはず)
少年「だから、僕達は繋がったままだよ……きっと」
少年(……冬は鯨達がこの海域にやってくる、って爺ちゃんが言ってた)
少年「また、会えたらいいな。……少女」
――。
少年「……?」
少年(風が……何か変わった?)
――。
少年「……この感じ」
少年(心臓が大きく鼓動を立てている)
――また。
少年(何だろう、この緊張と……高揚感は)
――会えたね。
少年(いや、僕はこれを知っている。この胸の高鳴りは――)
……少年!
――ザバアァアアァアアァン!!
少年「……!」
少年「――少女!!」バッ
白鯨「……」
ザプン……
少年「……あ」
少年(海に、潜っちゃった)
少年「でも……確かに、君の声……聞こえたよ! 少女!!」
少年(あの時と同じ、この島に入って一日目)
少年(僕は、再び海の神様に出会った)
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