25: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/11(金) 02:17:10.86 ID:wxXgwuIMo
進む道を選ぶ。選択する。
選ばなかったことは、諦める? それはなにか違う。すっぱりと諦めるほど、興味がないわけじゃない。
選びたくなかった、のだろう。私は、諦めたくなかったのだ。
今までずっと諦観していて、穂乃果たちと出会ってその必要がないことを知って。
どの道に進んでもいいなんて嘯いて。諦めたくないから選ばないで。
単純な、思い違いだ。何かを諦める必要なんてない。医者になったからといって、ピアニストになれないわけじゃない。
父はなんというだろうか。きっと驚くに違いない。そのときの顔を想像すると、今から笑いがこみ上げてくる。
なんだってやってやろう。それで駄目なら、諦めもつくだろう。ただ、やりもせずに諦めるなんてのはしたくない。
医者になる。音楽だって続ける。トマト農家だって目指してやる。
目の前にたくさんの道があれば、それらをつなげて一本の道にしてしまえばいい。
また穂乃果に助けられたけれど……。ちょうどいい。穂乃果に頼られるようにもなればいいのだ。
「ねぇ、穂乃果」
「うん?」
「さっきの話、なしにしてっていうのは取り消しで。私、やっぱりあなたと歌いたいわ」
「真姫ちゃんがそうしたいなら、私は歓迎するよ」
「ええ、でも、少しだけ待っていてちょうだい。準備が必要なの」
私なりのケジメをつけなければならない。立ち止まっていた私と、それを取り巻く全てのものにさようなら、だ。
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