36: ◆tXSQ21DKYs
2015/12/12(土) 01:34:39.02 ID:QvQsG1d2o
「私は、あなたともう一度歌ってみたいって思ってるわ。穂乃果もきっと同じ。あなたはどう?」
「……吝かではありませんが」
もう一度一緒に歌えたらと思ったことがないわけではない。それほど楽しかったことだし、夢中になったことだ。
でも、いいのだろうか。穂乃果と、真姫と、一緒に歌っても。
「ならいいじゃない。歌いたい気持ちがあれば歌えばいいのよ。それが、私たちでしょう?」
「そう、でしたね」
やりたいのなら、やればいい。そうでないのなら、やらなくていい。
つまるところ、私は周りを見ていなかったのだ。だから、同じところをぐるぐると回り続けていた。
うつむいて、踏み出したところに地面があることを確認して。それで道に迷ったと情けなく呟いて。隣の人にも気づかず誰か見つけてと泣き喚いて。
前を向けばよかったのだ。たったそれだけのことを、私は忘れていた。
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