過去ログ - 【安価】「力を手に入れるには代償が必要だ」
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7:名無しNIPPER[saga]
2015/12/14(月) 13:26:20.09 ID:4noyhthVo
-近くの森-

「この近辺でスライムの目撃報告が多発している」

「じゃあこの近辺を探索してみるか」

「その必要はないぞ」

「え?」

振り返るとそこには体長3m以上あろうかという大きな粘液の塊がいた。

それはジュウジュウと枯れ葉や枝を溶かしつつゆっくりと迫って来た。

「待って、なんか思ってたのと違う」

「スライムを見るのは初めてか? 体のほとんどを酸性の液体で覆った不定形の生物だ。物理攻撃はほとんど効かないと思った方が良いぞ」

「これに触らなきゃいけないの……?」

「そういう能力だからな」

しかし、悩んでいる暇は無かった。

そんなやり取りを終えると同時に体から液体を飛ばしてきていたからだ。

「ええい! きっとなんとかなる!」

飛んできた液体を右手で弾くと能力を発動。液体はあっという間に煙のようなものに変わり、霧散した。

「あっつ……いてええええええええ!!!」

「当然だ。一度触れなきゃ能力は発動できんからな」

「うぐ……本体に触らなきゃ、死んじゃう。ほんとに」

「はやくしろ。間に合わなくなっても知らんぞ」

「分かってるよ!」

幸いスライムの動きは遅く、簡単に駆け寄ることができた。

しかし、先ほどの痛みを思い出し、触れることを躊躇った。

「死にたいのか!」

「死にたくない!!!」

スライムに突っ込んだ右手が嫌な音を立てながら爛れていく。

辺りに鼻を突くような匂いが立ち込めた頃、ようやくスライムは辺りに散っていったのだった。

「もう右手は使い物にならんかもしれんな」

痛みに過呼吸を起こしていた俺は返事をする気にもなれなかった。


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