9:名無しNIPPER[saga]
2015/12/14(月) 20:11:36.72 ID:4noyhthVo
だがやはり、幼馴染が大人びていたとはいえ俺からしてみればまだまだ子供。
わがままな所も多いし、同年代と比べれば、と前置きしなければ大人っぽいとは思えなくなっていた。
小学校高学年を迎えるころには、幼馴染を好きな気持ちは無くなっていた。
それどころか幼馴染ですら子供っぽいと思うのに、他の子どもと遊ぶにも疲れてきたのだ。
なんだかやる気がなくなり、そのまま惰性で中学に進学。
高校、大学とだらだら進んでしまっていた。
大学に入ったころには、まだこいつ精神的に幼いな、と思うこともあったがおおむね満足できる交友関係を築くことができた。
新たな就職先も決まり、暇な時間もできたので実家へと帰って来た。
「ん、あれ? 男君?」
振り返ると、幼馴染がいた。
「もしかして幼馴染? 久しぶりだな」
「久しぶりー。元気にしてた?」
幼馴染は前回の幼馴染とまったく同じ姿だった。
それはそうだ。同じ人間なんだから。
そう思うと、また、幼き日の恋心が再燃してきた。
「うん、元気にしてたよ。幼馴染は?」
そう聞くと、幼馴染は嬉しそうに手を見せてきた。
「大学卒業したら結婚しようって。私結婚するんだ」
何が起きたか分からなかった。
鳩が豆鉄砲を食ったようだというのはこういうときに使うのか。
「そうなんだ……おめでとう」
それしか言えなかった。
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