過去ログ - 四条貴音「おのまとぺをご一緒に」
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8: ◆8HmEy52dzA[sage saga]
2015/12/18(金) 19:07:50.38 ID:cSL4roIE0
「あなた様!」
『うずうず』と身体の芯が何かを叫びたがっている。
『がんがん』と頭を叩く無抵抗の衝撃は、これが夢や幻の類でないことを語っている。
少し店から離れた場所、人だらけの都会の街で『ぽっかり』と穴の空いたように誰もいない電柱の下で、あなた様は待っていました。
途中、大きな水たまりに足を踏み入れてしまい、裾が『びちゃびちゃ』になってしまいました。
ですが、今はそれも些細なこと。『はあはあ』と息を切らしてあなた様のもとへ。
「はぁ……はぁ……」
「……貴音」
「あなた様……」
この機会を逃してはいけない、とわたくしの中の何かが訴えている。
「聞かせて、くださいまし」
この『もやもや』をこのままにしておいたら、わたくしは先へと進めない。
そんな、気がして。
「お、俺は……貴音が好きだ」
「え――」
「プロデューサーとしては失格だけど……でも、俺の正直な気持ちだ」
『ぽろぽろ』こぼれる涙と同時に、『すうっ』と心の雨雲が晴れたような気持ちでした。
「好きだ、貴音」
そのたった二文字の言葉が、なぜこんなにも素敵に響くのでしょうか。
「俺と、つ、付き合ってくれない……かな。お、俺の独りよがりなら、そう言ってくれないか。そしたら、明日からは……なんとか今まで通りにするから」
そんなもの、悩む必要もありません。
わたくしにこんなにも様々な音を奏でさせてくれるのは、あなた様しかいないのですから。
「わたくし四条貴音は、あなた様のことをお慕いしております」
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