過去ログ - モバP「選べる担当アイドルは一人だけ」【コンマ】
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839: ◆m8oAStm7x.[saga]
2016/06/19(日) 00:13:21.30 ID:vgAbafnoo

 ユニットを組んでから、菜々ちゃんは声優のお仕事を続けることが難しくなった。

 偶に特徴的なウサミンボイスで端役をやるくらい。

 三人がするお仕事は、ソロのときの人気を勘案してPさんが決める。声優業までは手を伸ばし過ぎらしい。

 菜々ちゃんはPさんの決定を尊重した。夢の一つだったはずなのに。菜々ちゃんの気持ちは私にも痛いほどわかる。

 菜々ちゃんの覚悟を無駄にしてはいけない。私と輝子ちゃんは決意を新たにする。



 輝子ちゃんが提案したお仕事のときは、ショッキングで刺々しい型破りなシンガーアイドルに早変わりする。

 フルスロットルの輝子ちゃんがあれこれと衣装を持ってきて、あれが似合うこれが似合うとマシンガントークを始める。

 椎茸やエノキの刺繍がされたパンクファッションはありなのかな……。私は輝子ちゃんのセンスを恐ろしく感じる。

 輝子ちゃんのフィールドは、これまで私達が培ってきた舞台とは別世界で、私も菜々ちゃんも右往左往している。

 まごまごしている私達に輝子ちゃんは檄を飛ばし、メイクと振付を指示し、お手本に大音量のシャウトを響かせる。

 音域になれるのが精一杯なので、当面のボーカルは輝子ちゃんに頼り切りだ。

 菜々ちゃんの声が裏返って「キエーッ」と奇声を上げた。指を指して笑ったらむせて息ができなくなった。

 輝子ちゃんが「大丈夫か親友ぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」と叫ぶ。

 血相を変えて駆け寄ってくる輝子ちゃんに手を振って無事を訴える。心配性な親友のギャップが面白い。

 輝子ちゃんから友情の証に貰ったキノコの原木は、事務所の階段の下でひっそりと育てている。


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