過去ログ - 勇者「淫魔の国で過ごす日々」
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13: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2015/12/20(日) 00:28:41.07 ID:OZ5mIP6Co

勇者「……俺、か」

黒の「王」は、勇者自身の姿をしていた。
だがその佇まいは、野蛮さや邪悪さはまとっていない。
いつもの服装に外套を引っ掛けて剣を帯びた、ありのままの姿で。

サキュバスA「ええ。……私の『王』は、あなたの姿以外は考えられませんわ?」

勇者「思えば、初めての一局。お前が黒だったら、何の姿になっていたんだろうな」

このチェスでは、黒のキングは、指す者が心に描く「王」の姿を映す。
勇者が初めて差した時には黒を選んでいたから、「勇者」自身の姿になった。
あの時は、クイーンを……サキュバスを取られたく、なかった。
淫魔の国の王として。
彼女らとともに歩むことを誓った者として、絶対に。
サキュバスを守り王を差し出す一手を指すと、彼女は微笑み、負けを認めて自軍の王を盤外へつまみ出したのだ。

次の二局目ではサキュバスAが黒を選び、その時には今と同じく、勇者の姿になっていた。

サキュバスA「さて。……もしかするとあの時でも、既に貴方を認めていたやも。今となっては私にも……。ふふっ」

勇者「相変わらず掴めないな、お前は」



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