61: ◆1UOAiS.xYWtC[sagasage]
2015/12/22(火) 01:14:01.87 ID:Ox0rWOSmo
翌日の朝。
ドアを叩き割るような、けたたましいノックの音で叩き起こされた。
サキュバスB「陛下! へーーかーー!! 起きてください! 朝ですよーーー!」
62: ◆1UOAiS.xYWtC[sagasage]
2015/12/22(火) 01:15:16.78 ID:Ox0rWOSmo
サキュバスB「なんですかチェンジって!? ……んん? 何かこんな事……あった、ような?」
少女姿の淫魔は、突如頭を捻って考え込む。
遠い昔にあった出来事なのか、それとも単なる既視感なのか。
63: ◆1UOAiS.xYWtC[sagasage]
2015/12/22(火) 01:15:50.04 ID:Ox0rWOSmo
サキュバスB「もう、こんなびしょびしょに濡れたトコで寝たら風邪ひきますよ。……おねしょじゃないですよね?」
勇者「少なくとも俺じゃあない」
64: ◆1UOAiS.xYWtC[sagasage]
2015/12/22(火) 01:17:38.10 ID:Ox0rWOSmo
サキュバスB「……? どーかしました?」
勇者「い、いや……」
65: ◆1UOAiS.xYWtC[sagasage]
2015/12/22(火) 01:18:55.06 ID:Ox0rWOSmo
大浴場へ入ると、サキュバスBに感じていたそそっかしさに裏打ちされる嫌な予感は、
どうにか裏切られてくれたようだ。
湯は普通に張っているし、あらかじめ湯を撒かれて温度も上げられ、大理石の床の冷たさもない。
湯煙を吸い込むように深く息を吸えば、じわりと胸の中から温度が上がるようだった。
66: ◆1UOAiS.xYWtC[sagasage]
2015/12/22(火) 01:19:26.57 ID:Ox0rWOSmo
勇者「サキュバスBか。何だ?」
サキュバスB「何、って……やですね。お身体を洗いに……」
67: ◆1UOAiS.xYWtC[sagasage]
2015/12/22(火) 01:20:46.20 ID:Ox0rWOSmo
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湯煙の中、椅子に座った「陛下」の背を見た。
もちろん、夜の伽の中でその肉体を見て、触って、「そう」だというのは知っていた。
だが――――明るい場所で見ると、違う。
68: ◆1UOAiS.xYWtC[sagasage]
2015/12/22(火) 01:23:32.49 ID:Ox0rWOSmo
勇者「その傷は、魔物に取りつかれた領主の館でついた」
サキュバスB「え……?」
69: ◆1UOAiS.xYWtC[sagasage]
2015/12/22(火) 01:24:21.77 ID:Ox0rWOSmo
唇に、心臓へ達した傷跡が触れた。
思わず前に回した手で探れば、同じく、左よりの胸板に傷跡があり、それは何かが「貫通」した事を雄弁に語る。
いくつもの死線を乗り越えて、今彼はここにいる。
70: ◆1UOAiS.xYWtC[sagasage]
2015/12/22(火) 01:25:10.66 ID:Ox0rWOSmo
勇者「……あのな。もう少し力、入れてもいい」
サキュバスB「は、はい。すみません、何となく……」
71: ◆1UOAiS.xYWtC[sagasage]
2015/12/22(火) 01:25:57.20 ID:Ox0rWOSmo
サキュバスB「……どう、ですか、陛下? 気持ちいいですか?」
恥ずかしさに、声が上ずる。
こんな事に自分の胸を使った事などない。
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