過去ログ - 鳰/乙哉「大切な――を奪うには?」
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13: ◆UwPavr4O3k[saga]
2015/12/23(水) 03:22:48.12 ID:U+b18yqK0
※視点変更が無い場合は前回の続きです。
<黒組教室>
フラフラとふらつきながらも、何とか教室までたどり着いたアタシは入口の前で額を抑え、壁を背にして静かに呼吸を整える。
幸いにも、もう既に中には自分と走り以外全員揃っているらしく、既に去って行った神長・桐ケ谷・生田目・剣持………と、武智の筈だった。
乙哉「はぁ〜、久しぶり♪」
兎角「っ、何でお前がここに居る!!」
晴「武智、さん………」
乙哉「晴っち〜!! 会いたかったよ〜……っとと」
兎角「近寄るな!!」
明らかに怯えた表情で肩を竦める晴に、過去の事を全く気にもかけていないといった様子の武智が抱きつこうと近寄る。
割って入った兎角が武智を押しのける。バランスを崩した武智は、しかし持ち前のバランス感覚で机にぶつかりながらも立ち直る。
こちらを殺気立った瞳で睨み付けてくる兎角の姿を見て、ニヤニヤとした笑みを浮かべながらホルダーからハサミを取り出し、器用に弄びながら、
乙哉「ま、もう一回殺り合っても良いんだけどねェ♪」
兎角「容赦は無いと思え」
晴「駄目だよ兎角さん!!」
ビリビリという音が聞こえてきそうな程に視線がぶつかる最中、傍観しているのは英と番場だ。
というより、無理やりに番場の隣に席を替えたこともあってか、最近はぐいぐいと英が番場に近付いている気がする。
純恋子「あらあら、また騒がしい人が帰ってきましたね、番場さん?」
真昼「……で、も、あのひと、苦手、ます……」
鳰「あー、"その辺に"」
乙哉「っ……はいはーい」
入口前でたじろいでいると、背後から歩いてきた鳰がわざとらしくアタシの肩を叩き、悶絶しながらも押し殺して教室に入る。
そして、何をしでかすかと思えば、乙哉の横を通りながら何かを耳打ちし………驚くことに、それまでいつもの調子だった武智が素直にハサミを納めて席に戻って行った。
その表情は心底不満そうだったが、それにしても何か弱みでも握られているのだろうか。
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