過去ログ - 鳰/乙哉「大切な――を奪うには?」
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3: ◆UwPavr4O3k[saga]
2015/12/22(火) 04:21:43.90 ID:RlhB9fCY0
<学園屋上>
翌日。此処から七日間の間、伊介様もまた兎角サンに対抗する為や自分の計画を立てる為色々と調べ物をするらしく、別行動を取る事にした。
あたしはこれまで通り毎日トレーニングを欠かさず、特に重要なイメージトレーニングのために屋上に来ていた。
兎角サンの得物はナイフと自動拳銃。拳銃に関しては、ズルいかもしれないが事前に伊介様が上手く細工をするらしい。
問題なのは純粋な格闘術においても兎角サンは一級らしく、あれだけ場数を踏んできた伊介様でもまともにやりあって勝てる相手ではないとか。
そんな殺しのために生きてきたような化け物と一対一で相対するという事を考えるだけで、学園祭の時のあたしがどれだけ馬鹿やらかしそうになっていたのかが分かる。
軽いシャドウボクシング終えて、本格的にナイフを『捌き』『弾く』ための特訓や、また得意な力による柔道の様な投げ技もイメージする。
そう、まさしく、こんな風に相手が突き出して――――――――――――て!?
春紀「うわっ!?っと……鳰サン、こんなところでなにやってるんだよ?」
鳰「いやぁ〜春紀さんが熱心にトレーニングしてたもんっスから、差し入れにと思いまして。スポドリいかがっスか?」
丁度ナイフが突き出してくると予想したところから本当にペットボトルが突き出されたのには驚いたモノの、其処に居たのは妙にツヤツヤとした肌で笑みを浮かべていた鳰サンだ。
正直なところ、この何かを見透かしている様な瞳はあまり好きじゃないけど、なるほど裁定者としてはメンバー全員の管理がどうこうとか言っていた気がする。
春紀「ま、ありがたく受け取っとくよ。それで、他にはなんか用事でもあるんかい?」
鳰「そんな露骨に嫌そうな顔しないでほしいっス! 流石の鳰ちゃんも傷つくっスよ! プチメロを要求するっス!」
春紀「あたしにはアンタがそんなタマには見えないんだけど……」
鳰「あ、そうそう、特に用事はないっスよ。」
春紀「ないんかい!」
鳰「春紀さんが最近特に兎角サン兎角サンってトレーニングしてるから、もしかしたらもしかすると?っていう、個人的な興味っスよ。」
春紀「あぁ、そうかい」
鳰「あ、ウチの事は気にしないで続けてください。こっちでプチメロ食べてるんで〜」
小柄な体格な走りは、鉄柵とそれを支える土台の細いスペースに座ると、提げていたビニール袋からメロンパンを取り出してはむはむ食事を始めた。
……まぁ、いっか。
受け取ったスポーツドリンクを口にした後、先ほどまでと同じように宙に存在する兎角サンの幻を相手に動き続けた。
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