過去ログ - エツァリ「どこまでもお供しますよ、御坂さん」
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名無しNIPPER
[saga]
2016/01/01(金) 17:10:12.47 ID:rO7pPSeE0
あの日、気が付けば、美琴は見慣れぬ白い部屋にいた。
真白の中に浮かぶ、彼女の顔はまるで死神に取りつかれた人間のように疲れていて。
ここは、どこなのだろう。自分はなぜ、こんなところにいるのか。
本来なら真っ先に思い浮かばなければならないことが、けれど彼女には二の次のことでしかなく。
ただ、ぽつりと、虚ろに浮かび上がってきたのは、
(――なんで、死んでないんだろ、私)
生きているのか、という生き延びたことへの驚きと歓喜ではなく。
死んでいないのだ、という、生き延びてしまったことへの諦観と絶望。
自分は、ここに至るまで何をしてきたのだっけ、と思いを巡らせる。
死ぬために、終わらせるために、第10032次の実験場へ向かって。
やっぱりアレには適わなくて、そして、そして――
(どうしたんだっけ……?)
本来のセオリーで行くならば、殺されてしかるべきだが、自分は生きている。
だとしたら、なんらかのイレギュラーが起きたはずだ。
異常事態の発生。予期せぬ出来事。
けれど、それは一体なんだったのか。あの時、何が起こったのか。
(……思い出せない)
とても大切で、忘れてはならない『何か』があったはずなのに。
まるでその時間だけ綺麗に消失したかのように、一かけらも現れてこない。
そのことが、怖くて――悲しかった。
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