過去ログ - エツァリ「どこまでもお供しますよ、御坂さん」
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名無しNIPPER
[saga]
2016/01/01(金) 17:34:04.22 ID:rO7pPSeE0
「ちょ、ちょっと待って!」
早々に立ち去ろうとした少年を、美琴は慌てて呼び止めた。
まさか呼び止められるとは思わなかったのだろう。目を瞬かせて、少年はなんですか、と振り返る。
きっと彼は敵ではないのだ、となんとなく思う。
あの顔を、真っ直ぐな感情を、美琴は見たことがあるような気がした。
だから、信用して、尋ねてみることにする。
「・・・・・・ここはどこ?」
恐る恐る、といった美琴に、彼はああ、と合点したように頷いた。
美琴が状況を把握していないことを思い出したのだろう。安心させるように笑って答えた。
「貴女がよく知っている病院ですよ」
よく知っている病院、とはどういうことかは分からなかったが、しかし、運ばれてきたのだろう、ということは理解する。
自分が覚えていない、「異常事態」の間に、誰かが連れてきてくれたのだ。
そのことに、感謝と――それから、複雑な気持ちを抱く。
死んでしまってもよかったのに、なんてことは口が裂けても言えないから。
自分が生きてしまったことはあまりよくないことだけれど、
自分を生かそうとしてくれたその人の行動は、きっと素敵なことだから。
恐らくその一人なのだろう、見知らぬ少年に、美琴は言った。
「・・・・・・じゃあ、アンタの名前は?」
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