過去ログ - エツァリ「どこまでもお供しますよ、御坂さん」
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26:名無しNIPPER[saga]
2016/01/05(火) 20:20:19.61 ID:XPXq+b3k0

知らなくてはならない。
こうして、「生きてしまっているのだから」。
御坂美琴のような大罪人が息をしていい理由はただ一つだけ。
――実験を止める、ただ、それだけだ。

「――君を連れてきたのはあの少年なんだよ」

思考の泥沼に沈みかけていた美琴は、その言葉にはっと顔を挙げた。
そう言って医者は閉じられた病室の扉を指差す。 つられて美琴もそちらへ目線を動かした。
扉の向こう側では、おそらくエツァリが備え付けられた椅子に座っているのだろう。

「後でお礼を言っておいた方がいいね?」
「……はい」

その提案に素直に応じた。命の恩人だ。
相応の礼はしたいと思う。――けれど。

『――愛しています』

見ず知らずの少年だった。あの特徴的な顔立ちだ。一度会っていたならば少なからず引っかかるところはあるはず。
だから、恐らく美琴は彼と一度も話したことはないし、見かけたこともない、と思う。
それなのに彼は、自分を好きだという。
茶化しや、いわゆる「人間として好意的である」、みたいなニュアンスではなかったと思う。
あれは、熱烈な告白だった。



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