1: ◆3HTJL2wVew[saga]
2015/12/24(木) 23:24:32.25 ID:YLYaNUINo
その日、空を暗雲が覆い尽くしていた
外出から戻り、鎮守府の様子にかすかな違和感を覚えながらも気分は晴れていた
道端で倒れている人影を見るまでは
「う…うぅ…」
提督「お、おい!大丈夫か!?」
電「あぁ…司令官さん、だめ…逃げ…て」ガクッ
提督「電!?電ああああああああ」
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2: ◆3HTJL2wVew[saga]
2015/12/24(木) 23:30:54.42 ID:YLYaNUINo
分からない、何が起こったのか、全くもって
口から泡を吹き気絶している電を抱え、改めて鎮守府を見やる
外観は変わっておらず、煙も上がっていないことから砲撃などは起こってないと推測する
3: ◆3HTJL2wVew[saga]
2015/12/24(木) 23:35:26.74 ID:YLYaNUINo
先程電から辛うじて聞き取れた『逃げて』という言葉
最後になっても私の身を案じてくれたことが嬉しくもあったが、ここで逃げたら今後一生後悔することになるだろう
そう予感めいたものを心に秘め、真っ直ぐ扉の中へと歩を進める
4: ◆3HTJL2wVew[saga]
2015/12/24(木) 23:40:31.01 ID:YLYaNUINo
辺りを見回している時に、ふと腕に抱えている電に視線が向かった
顔、口、首筋と順に視る
そのとき誰かが言っていた言葉を思い出す
5: ◆3HTJL2wVew[saga]
2015/12/24(木) 23:45:05.42 ID:YLYaNUINo
クゥーン
途端、ミルクのような甘い香りが鼻腔を満たした
大きくなるために毎日牛乳を飲んでいると言っていたが、こんなところで効果が発揮されていたとは
6: ◆3HTJL2wVew[saga]
2015/12/24(木) 23:49:48.19 ID:YLYaNUINo
「……、…」
どこからかうめき声のようなものが聞こえてくる
声のもとへと足を運ぶと、また倒れている人を発見した
7: ◆3HTJL2wVew[saga]
2015/12/24(木) 23:53:14.91 ID:YLYaNUINo
瞳が虚空を彷徨い常にうなされており、かなり深刻な状態だった
提督「クソッ、外出中に何が!!」
鎮守府に留まっていれば良かったと、己の過ちを悔いる
8: ◆3HTJL2wVew[saga]
2015/12/24(木) 23:57:34.03 ID:YLYaNUINo
「これは悪い夢これは悪い夢これは悪い夢これは悪い夢これは悪い夢これは悪い夢」ブツブツ
「一航戦である私が…負けるなんて…」
「ファー…ブルスコ…ファー…ブルスコ…モルスァ」
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