13:名無しNIPPER[saga]
2015/12/25(金) 16:32:49.68 ID:lWDqkljoo
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「――世紀末歌姫!」
(楓さんっ!)
事務所の扉を開けると、何かフリフリした黒いものが胸に飛び込んできます。
とりあえず一通りモフモフした後に確認すると、その塊は蘭子ちゃんでした。
「風の囁きを聞いた! 舞台の幕を切ると! 真か!?」
(あのっ、やめちゃうって本当なの?)
いつものきらきらとした目に涙を浮かべて、蘭子ちゃんが間近で声を上げます。
ちらりと視線を上げれば、困ったように笑う肇ちゃんとアーニャちゃんが居て。
「すみません、雑誌の記事を話題に出したらこうなっちゃって……」
「アー、蘭子? まずは楓の話、聞きましょう」
「……うん」
蘭子ちゃんがこくこくと頷きました。
「はい。私は来年でアイドルを卒業します」
そう正直に告げると、蘭子ちゃんが目を大きく瞬かせました。
肇ちゃんとアーニャちゃんも一緒に。
「……」
「え……」
「…………あ、えと……えっ?」
「蘭子ちゃんの言う通り、多分その記事の通り、私は来年の夏でこの事務所をやめます」
何か考え込むような肇ちゃんとアーニャちゃん。
そんな二人とは裏腹に、蘭子ちゃんの顔はみるみる内に真っ赤になっていきました。
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