20:名無しNIPPER[saga]
2015/12/25(金) 18:20:17.13 ID:lWDqkljoo
「どんな本なんですか? 見覚えの無い作者さんですけど」
「そうですね……題の通り、まさに童話のシンデレラを元にした本です」
説明を続けようとしてふと気付きます。
きっと、説明しない方が面白いんじゃないかと。
「プロデューサー」
「はい」
「どうして急に、シンデレラの前に魔法使いが現れたんだと思いますか?」
信号が青へ変わってプロデューサーが前を向きます。
ブレーキを戻すと社用車はゆっくり進み始めました。
「それに、どうして魔法は12時で解けてしまうんでしょう」
「……そういえば、どうしてなんでしょうね」
「『シンデレラ』を読んだ事は?」
「ええ、あります。というよりPは全員最初に読まされます。でも理由なんて載ってたっけ……」
プロデューサーがうんうんと考え込みます。
答えを待ちながら助手席でページを捲っていると、車はいつの間にか事務所へ到着していました。
サイドブレーキを引いて、プロデューサーがシートにどさりと身体を預けます。
「降参! どうしてなんですか?」
「まさにそういう物語なんです。さぁ、行きましょうか」
「……え? 答え教えてくれないんですか」
「宿題にしておきます。考えておいてくださいね」
主人公の気持ちになって、考えてみましょう。
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