6:名無しNIPPER[saga]
2015/12/25(金) 15:22:40.97 ID:lWDqkljoo
  
  「正確には、まだ反対……ですね」 
  
 椅子を勧められて、私も腰を下ろしました。 
  
  「俺は、まだ楓さんをシンデレラにしてあげられていません」 
  
  「はい」 
  
  「楓さんをシンデレラガールにします」 
  
 プロデューサーと私の視線がぱちりと合います。 
 いつもは優しい瞳に、確かな意志の光が見えた気がしました。 
  
  「ガラスの靴をきちんと残して、舞台から消えましょう」 
  
  「……」 
  
  「いつか約束しましたよね。楓さんに必ずガラスの靴を、と」 
  
  「プロデューサー」 
  
  「何でしょう」 
  
  「引退自体は、否定しないんですか」 
  
  「はい」 
  
 マグカップのお茶を一口。 
 緊張を解すように長く息をつきました。 
  
  「楓さんの意志は、最大限尊重します」 
  
  「ありがとうございます」 
  
  「後は俺の、プロデューサーとしての意地との勝負です」 
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