過去ログ - クリスマスパーティー、その後で。原作:俺ガイル
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11:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/12/25(金) 19:06:20.13 ID:eO1MEmUE0


陽乃「知っているわけないじゃない。比企谷君があの子に教えてあげる?」

 本来なら言うべきなのだろう。
ストーカー行為もここまでくれば家族間であろうとやばいところまできている。
 だけど、雪ノ下の立場というか、
実家を無理やり出て一人暮らしをしてるって感じのことを聞いた事があったので、
もしかしたら裏事情として陽乃さんの監視が条件の一つってこともあるのかもしれない。
 もしそうならば、ここで俺が勇みこんで雪ノ下に事情を話しても、
かえって事態が悪化する可能性だってあるわけだ。
 …………さて、どうすべきか。
 一番簡単なのは、見なかった事にするだ。
これが一番被害が少ないし、
雪ノ下も実害を受けていないのならば我慢できる範ちゅうなのかもしれない。
まあ、実の姉であろうが監視されて気持ちいいわけはないだろうが。

八幡「もし俺がここで、もう監視なんてやめてくださいと頼みこんだから、
   やめてくれる可能性はあるんでしょうか?」

陽乃「可能性としたら、あるわよ?」

八幡「可能性としたら、どんな問題でもゼロではないでしょうね」

陽乃「なら言い変えよっか。条件によってはやめてあげてもいいわよ?」

八幡「条件って…………」

 俺をまっすぐ覗きこむ瞳は、すうっと俺の中に入り込んだまま俺の中をなめ回し続ける。
身震いさえ硬直によってうまくできずに、俺は時間が過ぎ去るのを待つしかなかった。

陽乃「ほんと、比企谷君って変な所がまっじめなのよね。
   お姉ちゃん、どうしようもないくらいかわいがってあげたくなっちゃうじゃない」

八幡「……………………はぁ?」

 ようやく硬直がとけた俺を出迎えたのは、盛大に笑い転げる陽乃さんの姿であった。

陽乃「あ、あはははははは……。ごめん、ごめんね。
   あまりにも深刻そうな顔をしていたから、
   比企谷君を可愛がってあげたくなっちゃって。
   ほんと、ごめん。でも、比企谷君が可愛すぎるから悪いのよ?」

 わけがわからない説明を言った後も笑いが止まらないらしく、
俺の腕に絡ませながら笑い続けるので、
なすすべもない俺は笑いが収まるのを待つしかなかった。

陽乃「はぁ……。比企谷君ってからかいがいがあるんだもの。かわいくってしょうがないわ」

八幡「できることなら遠慮してくださると俺も助かるんですが」

陽乃「それは無理」

 そこまではっきり言われてしまうと、
俺の方もこれ以上抵抗もできないっていうか、陽乃さんだしなぁ。

陽乃「そのかわり、このモニターのことを教えてあげるわ」

八幡「はぁ」

陽乃「雪乃ちゃんの部屋が映し出されているのはね、監視のためっていうのは事実よ」

八幡「でしょうね」

陽乃「でも、いつも見ているわけではないのよ?
   たいていは家に帰って来ているかを確認する程度で、あとは防犯のためかな?
   いくらセキュリティーがしっかりしているこのマンションでも、
   高校生の女の子が一人っていうのはね。しっかりものの雪乃ちゃんであっても、
   母はよくは思ってないのよ。
   だからこうしてわたしが確認してるってわけ。
   映像は実家の方でも確認できるようになっているから、
   ここはいわば中継基地ってところかしら?」

八幡「やりすぎじゃないですかね?」

陽乃「さすがにわたしもそう思うわ。だって雪乃ちゃんが一人暮らしをするためにここの階、
   すべての部屋を買い取ったんですもの」

八幡「まじっすか?」

陽乃「本当よ。他の部屋も見てみる? 鍵はあるから入れるわよ?
   でも、部屋を見てもからっぽだけどね」





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