過去ログ - クリスマスパーティー、その後で。原作:俺ガイル
1- 20
15:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/12/25(金) 19:08:35.91 ID:eO1MEmUE0


陽乃「雪乃ちゃんを見ていて、その周辺をうろちょろする君を見ていたら、
   なんだか興味を持ったのがきっかけかしらね。
   で、いろいろ手を出してみたらかわいかったっていうのが決め手かな」

八幡「可愛げもない子供だって言われてきたんですけどね」

陽乃「その辺は主観かな。わたしはいいと思ったけど?」

八幡「さよですか。わかりました。よろしくお願いします」

陽乃「あら? もっと抵抗するかと思ったんだけど」

八幡「抵抗しても無駄だとわかっているのに、なんで抵抗するんですか」

陽乃「それもそうだけど」

八幡「それに、人との関わり合いなんて、
   とくに恋愛、結婚なんて結婚してからも別れる事がざらですからね。
   だから、いくら婚約に近い関係であろうと、別れるときはわかれるんですよ。
   だから今ここで抵抗するよりも、
   近い将来愛想を尽かされて離れていかれた方がよっぽど建設的かなと思いましてね」

陽乃「比企谷君らしいわね。でも、事実でもあるわね」

八幡「結婚式で永遠の愛なんて誓いますけど、
   あんなの実践できている夫婦なんてまれなんじゃないですか?
    離婚はしなくても惰性で夫婦になっているっていうか
   経済的な理由で夫婦関係を続けている夫婦がほとんどだと思いますよ」

陽乃「現実的なのね」

八幡「夢なんて見ないようにしていますからね」

陽乃「ま、いいわ。永遠の愛は無理かもしれないけど、
   信頼し合うパートナーなら可能だと、わたしは思うのよ。
   だからよろしくね、八幡」

八幡「はぁ……。信頼しあうなんて、夫婦関係よりもよっぽどシビアですよ。
   でも、宜しくお願いします、陽乃さん」

陽乃「うんっ」

 愛おしそうに俺の頭を撫でるその姿を見ては、
ほんとうに信頼関係だけで満足するんですかってつっこみを入れたくなってしまう。
けれどそれはやぼだというものだ。
 信頼。なにもって信頼するか。
 愛情? 友情? パートナー? 仲間? 家族?
 どれも信頼の一面に違いない。
まったく信頼関係がなくとも仲間であったり家族であったりもするが、
その関係は人それぞれでもある。
 だから、陽乃さんがなにをもって信頼に値すると考えるかを見つけ出すのは不可能だろう。
 そもそも俺はこの関係を穏便に解消する為に了承したのだが、
いまさらながらそれは不可能ではないかと思えてしまう。
 あの、人に自分をさらけ出さない陽乃さんが信頼したいと求めてきた。
 その事実が俺を手放してはくれないだろう。
 でも、悪くはないと思えてしまう。べつにマゾになったわけではなし、
この大きなお胸の虜になったわけでもない。
まあ、ちょっともみたいなとは思うが、それくらいは男として正常な反応だろう。
 だけど、この笑顔に見惚れてしまい、俺をつつみこんでくれる温もりに安堵し、
その安らぎを感じてしまっている事実に、
クリスマスくらいは素直に従ってもいいんじゃないかと思ってしまった。
ま、もう26日なんだが。
 クリスマス。心を癒してくれる恋人、家族、友人。
日本のクリスマスは海外とは違ってイベント事になってしまってはいるが、
大切な人と祝うという要素が間違っていないとするならば、
俺に安らぎを与えてくれるこの女性を信じてもいいんじゃないかと思ってしまう。
 警戒心なら今でもある。
けれど、俺と似たような不器用な性格は親近感を感じさせずにはいられない。
それは、相手を知ってしまえばなおさらである。

陽乃「ねえ、八幡」

八幡「なんですか?」

陽乃「八幡からのプレゼント。あったかいね」




END





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
19Res/50.52 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice