過去ログ - 親友「あとは、任せたよ。」
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6:名無しNIPPER[saga ]
2015/12/25(金) 20:36:48.09 ID:iLRizJ7Q0
今日はだいぶ冷え込んでいる。
季節は冬、12月だ。
もう一年が終わるらしい。
あっという間だった。
ほとんどの時間をこの部屋で過ごした。
以下略



7:名無しNIPPER[saga ]
2015/12/25(金) 20:37:38.57 ID:iLRizJ7Q0
こんな生活を続けてもう数年たった。
そろそろ、だろう。
「話」が完結する頃にはこの生活も終わるだろう。

「終わらせないとな。」
以下略



8:名無しNIPPER[saga ]
2015/12/25(金) 20:38:57.82 ID:iLRizJ7Q0

「ピンポーン、ピンポーン」

いまだ、鳴り続けているインターホン。
最近、Amazonで注文したものはない。
以下略



9:名無しNIPPER[saga ]
2015/12/25(金) 20:39:50.05 ID:iLRizJ7Q0
ま、どうせセールスマンかNHKの集金だろう。
さっきの独り言は聞こえたはずだ。
俺は暗にドアを開く気はないと伝えたのだが…しつこい奴だな。


10:名無しNIPPER[saga ]
2015/12/25(金) 20:41:31.71 ID:iLRizJ7Q0
さすがにここまで粘られると近所迷惑だ。
お隣さんに文句を言われてしまう。
この部屋を追い出されたら僕は寒い冬を乗り越えられない!
ま、いざとなれば漫画喫茶とか方法はあるけど。
まだこの部屋を出る気はない。
以下略



11:名無しNIPPER[saga ]
2015/12/25(金) 20:43:17.21 ID:iLRizJ7Q0
のぞき穴からインターホンを鳴らし続ける来訪者を確認する。
赤いキャップを被り、大きな段ボール箱を抱えている。
顔は見えないが、ご苦労なことだ。
この寒いなかで待たされるとは。
残念ながら徒労に終わるのに。
以下略



12:名無しNIPPER[saga ]
2015/12/25(金) 20:48:03.41 ID:iLRizJ7Q0
チェーンによって少しだけ開いたドアの隙間から声が聞こえてきた。
俺はその声に応えることはできなかった。
その声が聞こえてきたのと同時にドアの隙間から光が俺の部屋に入り込んできたのだ。


13:名無しNIPPER[saga ]
2015/12/25(金) 20:48:36.44 ID:iLRizJ7Q0
視界が光に飲み込まれていく。
途端に足下がグラつき、倒れそうになる。
立ち眩みだ。
壁にもたれかかろうとしたが、倒れる方が先だった。
これはヤバイ…。
以下略



14:名無しNIPPER[saga ]
2015/12/25(金) 20:49:34.21 ID:iLRizJ7Q0
ー部屋の外、冬の空の下ー

「今日は12月23日。やっぱり明日の方がよかった…?慌てん坊のサンタクロースは流行らないのかな…。」

赤いキャップは冬の冷たい風によってどこかへ飛ばされていった。
以下略



15:名無しNIPPER[saga ]
2015/12/25(金) 20:50:48.34 ID:iLRizJ7Q0
まず最初に感じたものは上からの圧力、いや自分の体重だった。
僕は膝から崩れ落ちた。
額から嫌な汗が流れ出す。尋常じゃない量だ。
さっきまで感じていた感覚のせいだけではない。

以下略



16:名無しNIPPER[saga ]
2015/12/25(金) 20:52:33.32 ID:iLRizJ7Q0
さっきまでアパートでインターホンを鳴らし続ける奴の相手をしようとしたはずだ。
なのに、気がついたら何もない寂れた空き地に僕はいた。
汗が背中からも吹き出してくる。
流れ落ちる汗が頬を伝った。
てゆうか…


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