過去ログ - 桃華｢星降る聖夜に｣ -SS速報VIP

過去ログ - 桃華｢星降る聖夜に｣

↓ 1- 覧 板 20

1: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:35:57.69 ID:g9d8+0Mb0

｢あら、アナタ……わたくしを見る目つきが普通の人のソレと違ってよ｣

｢待ってください、怪しい者ではありませんから！｣

｢……ウフ、いったいナニを考えていらしたの？　教えて下さる？｣

｢ええと、私はこういう者で……その、アイドルをやってみませんか？　きっと貴女なら素晴らしいアイドルになれるはずです。だから……｣

｢ふぅん、わたくしをアイドルに……それは面白そうですわね｣

｢はい。よかったら、この後少しお話を聞いてもらえませんか？｣

｢そうですわね…………興味深いお話ですが、そろそろホテルに戻る時間ですわ。それに、明朝には神戸へ帰る予定ですの｣

｢じゃあ……｣

｢そのお誘いは申し訳ございませんが、今はお受けできませんわね｣

｢そう、ですか｣

｢ですが……いつかは連絡いたしますわ｣

｢……わかりました。待ってます｣

｢ええ、よろしくお願いします。それでは、ごきげんよう｣

｢……あの！　貴女のお名前は？｣

｢あら、わたくしとしたことが。失礼いたしましたわ｣

｢いえ……先程名刺も渡しましたが、改めて。私はＣＧプロダクションの照井と申します｣

｢わたくしは櫻井桃華ですわ。また会う日まで、お元気で｣

……………
………
…

SSWiki : ss.vip2ch.com

2: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:37:30.99 ID:g9d8+0Mb0

　ドアの前で、小さく深呼吸。
　そのまま開けようとして、ドアノブにかけた手が止まった。

｢藤井さん、ここまでの書類一式纏めて送っておきましたから、確認しておいてください｣

3:名無しNIPPER[sage]
2015/12/25(金) 20:37:43.70 ID:/ruq5Rc1o
ちゃま！！！膣内に射精すぞっ！！！！！ﾄﾞﾋﾞｭﾙﾙﾙﾙﾄﾞﾋﾟｭﾄﾞﾋﾟｭﾄﾞﾋﾟｭﾄﾞﾋﾟｭﾄﾞﾋﾟｭ

4: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:38:06.60 ID:g9d8+0Mb0

｢そんな話聞いてないですよー｣

｢言いづらかったんですよ……｣

5: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:38:54.83 ID:g9d8+0Mb0

｢そういうわけで、プロデューサーの方に行くにはまだまだかかりそうです｣

｢はー、大変ですよね。ちなみに、その子の名前とか聞いてないんですか？｣

6: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:39:39.57 ID:g9d8+0Mb0

｢失礼いたしますわ｣

　ドアを開けて、部屋の中に入る。

7: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:40:15.86 ID:g9d8+0Mb0

　飲み物の準備も終わり、簡単な自己紹介が済んだ。
　対面にはわたくしをスカウトした照井さんと、事務の藤井さんが座っている。

｢結論から申し上げますと、すでに両親の説得は終わっていますの。通常のアイドル活動をする限りにおいては賛成するとのことですわ｣

8: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:41:07.77 ID:g9d8+0Mb0

｢桃華さん。すでに決定のような雰囲気ですが、詳細を詰めなければいけませんよ｣

｢……あら、うっかりしていましたわね｣

9: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:41:41.74 ID:g9d8+0Mb0

　話も纏まった。
　淹れてもらった紅茶に口をつけ、少し顔を顰める。
　話の間に温くなってしまっていた。

10: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:42:11.37 ID:g9d8+0Mb0

｢ずいぶん、個性的な方々でしたわね……｣

　照井さんも藤井さんももっと普通かと思っていた。
　いきなりの行動に、しばらくの間気が抜けたようになってしまった。

11: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:42:40.48 ID:g9d8+0Mb0

｢そろそろ時間ね。久しぶりに一緒に歌えて楽しかったわ｣

｢私もです……｣

12: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:43:12.86 ID:g9d8+0Mb0

　東京に来て、寮に入って数日が過ぎた。
　荷解きが終わったところで、今日は地理の把握をしておこうと思う。
　最低限、最寄り駅とお店は覚えておきたい。

13: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:44:49.96 ID:g9d8+0Mb0

　――それで、ここに薬局が……

　地図を見ながらの散歩は終盤に差し掛かっていた。
　夕方前から始めて、日没までにはほぼ終わっている。

14: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:45:21.14 ID:g9d8+0Mb0

｢Holy infant so tender and mild――｣

　歌っていたのは、、一人の少女だった。
　目を閉じて、樹の前に立っている。

15: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:45:50.49 ID:g9d8+0Mb0

　わたくしが拍手しながら近づくと、閉じていた目を開いて心底驚いたような顔をした。

｢見事ですわ。素晴らしい歌をありがとうございました｣

16: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:46:18.78 ID:g9d8+0Mb0

　歌が終わった。
　私の拍手に、望月さんが照れたようにはにかむ。

｢聴いたことのない曲でしたわ。雰囲気からいってクリスマスの歌のようですけど……｣

17: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:46:47.95 ID:g9d8+0Mb0

｢――あら、もう日が暮れますわね｣

　それから何曲か聴いて、気づけばあたりは薄暗くなっていた。
　日没が早いとはいえ、それなりに遅い時間だ。

18: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:48:52.84 ID:g9d8+0Mb0

｢ごきげんよう、プロデューサー｣

｢ごきげんよう、桃華さん｣

19: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:49:20.72 ID:g9d8+0Mb0

｢寮での生活には慣れました？｣

｢それなりに、といったところですわね。一人暮らしは初めてですもの｣

20: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:50:48.35 ID:g9d8+0Mb0

｢ところで、わたくしのデビューは決まりましたの？｣

　まだデビューについての方針は聞けていない。
　基礎レッスンの段階だからまだ余裕があるとはいえ、こういうことはできるだけ早く、決まり次第伝えてほしい。

21: ◆8dLnQgHb2qlg[sage saga]
2015/12/25(金) 20:51:16.43 ID:g9d8+0Mb0

｢それから、プロデューサー。次のお休みはいつになりますの？｣

｢いつでも予定は空けられますけど……？｣

65Res/64.21 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ

Powered By VIPservice