10:名無しNIPPER[saga]
2015/12/27(日) 21:40:58.90 ID:2n7j/CLko
とりあえず波打ち際から避難してきた先輩と僕。
日陰にいても寒いだけなので日向に並んで座る。
この陽射しの強さだ、しばらくこうしていれば乾いてくれそうなものだが。
「……っしゅん」
靴だけの僕はそれでいいが、全身濡れてしまった先輩はそうもいかない。
早急に乾かさないと、風邪でもひいては大事だ。
「とりあえずこれ着てください、先輩」
僕はTシャツを脱いで先輩へ渡す。
汗でびしょ濡れで効果はあまりなさそうだが、無いよりはマシではなかろうか。
「肌着一枚で平気?」
「少なくとも、今の先輩よりは」
小さく肩を震わせながら問いかける先輩に僕はそう言葉を返す。
こんな状況にそぐわないかもしれないがなんだか変に安心してしまった。
先輩が何も感じない人のように思えていたから。
ちゃんと先輩が現実にいるものなのだと、実感出来たような気がしたのだ。
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