84: ◆jFOAtUBOww[saga sage]
2016/01/01(金) 10:18:08.49 ID:Af6RHD2T0
第5話「もう一人の自分」 その1
ある日、倒辛家に本山が慌ててやってきた。
「刑事さん、どうしたんすか!?」
「実はね。前回の自殺騒ぎを解決してくれた君たちに、捜査協力を···」
「ということは、また怪物の仕業ですか?」
「あぁ。ここ最近、街の人が次々に行方不明になる事件なんだが···」
「分かりました。あたしたちも協力します!」
「あ、ありがとう!やっぱり神川は優しいな。」
本山、知残、敬座、ノージャスの順番で家を出たあと、滅正が遅れて出た。
四人は歩きながら本山に行方不明者の写真を見せてもらっていた。
行方不明になったのは若い女性、小学生の男子、そして中年男性の三人だった。
「よし。お前ら、まずはこの女、笹野文代の勤務先のケーキ屋だ。従業員の方に少し聞いてみるぞ。」
その時、滅正は本山に言った。
「あの、刑事さん、その笹野っていう人があそこにいるんですけど···」
「本当だ。刑事さん、これどういうことですか?」
一瞬戸惑った本山は店内を覗いてみた。
店内には、写真と同じ笹野文代がケーキを運んでいるのが見えた。
「え、嘘···だろ?」
ますます不思議に思った四人と本山は店に入り、笹野に調査をした。
「あの、笹野文代さんですか?」
「ええ、そうですけど···」
「あなた、両親から捜索願が出されているんですが···」
「ああ、それは私の帰りが遅いので、多分誤解ですよ。ちゃんと家には帰ってますし···」
「え、そ、そうですか。ありがとうございました。」
やはり四人と本山は怪しいと思いながらも店を出た。
結局、その日は小学生の川合翼と中年の小塚省吾も見つかり、本山の疑問はさらに深まった。
本山と別れて家に戻った四人もやはり頭がモヤモヤしていた。
「ったく、何なんだこの事件···」
「でも、三人とも勤務先や学校に行ってるってことは、解決でいいんじゃないかな?」
知残がそう言ったとき、ノージャスが口をはさんだ。
「違うよ知残ちゃん。皆も聞いて。あの三人は本物じゃないの。」
突然言われて、三人は驚いた。
「どういうこと?ノージャス」
「私分かったの。あの三人から、クロード怪人のエネルギーを感じ取れたの。」
「そうか!ノージャスは元々怪人だから、仲間が近くにいると感じることが出来るんだよな。」
「なら、怪人が本物を誘拐して、怪人が化けた偽者とすりかえたってことか?」
「なるほど、そう考えるとしっくり来るね。」
「念のため、明日も三人を調べてみようよ。」
「OK。分かったよ。」
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