56: ◆9W6PAVDo7.[saga]
2016/01/09(土) 02:04:46.28 ID:WhYnT0Jo0
「放浪者! 助かったんだぞ!」
無邪気な声を藍はあげるが、気にしない様子で放浪者は素早くヘリに乗り込んで西切の拘束をナイフで外してから、そのナイフを西切に渡す。
「…少し処理がある、悪いが藍の拘束を解いたら、2人でゾンビの処理を頼む」
西切は了承してから、渡されたナイフで藍に着せられた拘束具を外した。2人は外に出て、西切は先ほどまで生きていた兵士からいくつかの武装を頂戴してから、今までのやり取りと明るさで寄ってきているゾンビを掃討し始めた。
「…しかし、本当に大丈夫だろうな?」
『うちの皆の技術、なめちゃだめヨ。スイッチいれたら、3分でボーン、ネ。フロートボードの技術を流出させるわけには、いかないかラ』
かなり前に手に入れていたプラスチック爆弾を、フロートボード破壊のために時限爆弾にしたものを、突き刺さったボードに設置する。スイッチを押すとタイマーが作動して、カウントダウンが始まった。
「…救助は完了、この場を離れる」
『わかったワ。念のため、今繋がってる携帯も、始末しておいてネ。2時間後に、持っていってもらったもう1つの携帯にビジョンから繋ぐワ』
了解と答えて電源を切り、その携帯もヘリの中に投げ入れる。彼はゾンビの処理をしている2人に声をかけ、ここへ来る前に確認した、比較的安全そうと思われる地域に向かって3人は歩き出した。
それから、少しして簡易ヘリポートは爆発し、破壊を免れた何基かの照明が、死体とくすぶるヘリの残骸を照らしていた。
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