過去ログ - 【安価コンマ】理不尽難度のダンジョンアタック【オリジナル】
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479: ◆x8NsquFWLI[saga]
2016/01/04(月) 19:40:14.45 ID:TSSmLDQko
あなたはすぐさま警戒心を最大にまで引き上げた。
鼠達は今やあなたを完全に、外敵と見做していると考えて間違いない。

原因は恐らく鼠達の前で蕾を切り取った事だろう、とあなたは考えた。
この鼠達は蔓を餌としているようだ。
蔓自体を切り取った訳ではないが、自分達の餌を奪われると思ったのかも知れない。
知識の足りないあなたでは、現時点ではその推測が限度だった。

可能な限り刺激しないよう、様子を窺いつつ後退する。

鼠達は大合唱を続けているが、動きはない。
あなたの動きを、赤い瞳で追うだけだ。


やがて、あなたは無事蔓の部屋からの脱出に成功した。

壊れた扉の向こうから、鼠が飛び出してくる様子はなかった。
そのまま少し待つと、蔓を齧る音が少しずつ聞こえ出す。

危機は脱したようだ。


それでも後方への注意は残したまま、青い球体の扉に向き直る。
手に持ったままだった蕾の内、四つを道具袋へ仕舞い、残る一つをナイフで傷付け、
青い球体にかかるよう、蕾を強く握り蜜を搾り出す。

青い球体は輝きを増しながら蜜を吸い、しばしして満足したように明滅した後、扉に吸い込まれるように姿を消した。

そして、やはり完全なる無音で扉は開ききった。

命じていないにも関わらず動いたそれにあなたは慌て、閉まるようにと念じるが、
小部屋の扉と違い何の反応もない。

自身の魔力を捧げていないからだろうか。
あなたは予想通り扉は開いたものの、全てが思い通りとはならなかった事に腹を立て、蕾を床に叩き付けた。
蕾はそう硬い物ではないために、ろくに音も出さずに転がっていく。
その手ごたえの無さも、あなたを更に苛立たせた。


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