14: ◆c4DUj3OH/.[sage]
2015/12/31(木) 12:22:05.81 ID:YFxFRnZkO
提督「い、いや、食べるのが勿体無いくらいに美味しかったよ!」
勿体無いから、もう食べなくてもいいかな?
比叡「そんな、遠慮なんかしないでください! 比叡、気合い! 入れて! また作りますから!」
花が咲く様子を早回しで見せられたような笑顔の比叡。
そんな顔をされては……。
俺は一気に物体Xを体内へと流しこんだ。
そう、味も香りも感じる暇もなく、それはもう一瞬で。
そして。
提督「……比叡。今度はいろいろな物を混ぜるのではなく、系統を統一した物で作ってくれないか?」
比叡「系統、ですか?」
提督「そうだ。具材はオーソドックスでいい。人参、ジャガイモ、玉ねぎに肉」
比叡「それじゃあ普通のカレーじゃないですか。気合いが足りません!」
提督「話は最後まで聞け。もちろん、それだけじゃない」
比叡「どういうことですか?」
提督「人参なら人参で、数種類の人参を入れる。ジャガイモならジャガイモで、数種類のジャガイモを入れるといった具合だ」
比叡「なるほど! 司令は、好きなものをガッツリいきたいタイプなんですね!」
提督「……そう……かな……?」
比叡「確かに今回のカレーを弁当にたとえるなら、幕の内タイプ」
提督「え? え?」
比叡「いろいろな物を少しずつ詰め込んだカレーでした」
提督「え? 比叡、どういうことだ?」
比叡「しかし司令も日本男児。カツ丼のように、メインは一品のみ。それ以外は何もいらない! そんなカレーをご所望というわけですね!」
提督「ちょ、ちょっと。ひ、比叡さん?」
比叡「確かに今回はシュークリームも、カスタードのものだけでした。なるほど、次はシュークリームだけにして、その代わりに、生クリーム、チョコレートクリーム、ストロベリークリームなど、ガッツリシュークリームカレーですね!」
提督「え? なにそれ? シュークリーム? カレー? なにそれ? 一旦落ち着こう? ね?」
比叡「わかりました、司令! 比叡、気合い! 入れて! 作ります!」
提督「ちょっと、ちょっと待って! お、俺、シュークリームよりジャガイモとか人参とか玉ねぎとか肉とか好きだからね! ホント、肉とかジャガイモとか大好き! ひ、比叡!?」
シュークリームカレーという不穏な言葉を残し、比叡は足早に執務室を去っていってしまった。
榛名「……提督。比叡お姉さまが、大変申し訳ありません……」
提督「……いや、榛名の責任では……」
俺は、胃の中からせり上がってくるいろいろに耐えながら、次なる比叡カレーの恐怖に怯えていた。
比叡「比叡特製カレーを召し上がれ」その1完
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