27: ◆c4DUj3OH/.[sage]
2016/01/24(日) 13:54:08.69 ID:sspxZtr6O
58「で、提督。ゴーヤに話ってなんでちか?」
提督「ああ、そうだった。実は間宮から俺に、ある依頼があった」
呂「マミーヤから提督に?」
提督「そうだ。なんでも、鯨の出汁を使いたいんだそうだ」
58「鯨出汁?」
提督「そうだ。鯨の出汁だ」
58「それがゴーヤと何の関係があるんでち?」
提督「鯨出汁と言えば鯨。鯨と言えば大鯨だ」
58「意味がわからないでち……」
呂「ろーちゃんもよくわからないですって」
提督「つまりだ」
58「つまり?」
提督「大鯨のタイツを出汁にすればいいんじゃないかと俺は考えたわけだ」
58「は?」
提督「理屈はこうだ」
58「聞いてないでち。というか、聞きたくもないでち」
提督「大鯨のはいてるタイツは厚手だな? 厚手のタイツ。それは蒸れる」
58「耳を塞いでるでち。こんな話を聞いてたら、耳が腐るでち」
呂「でっち、ろーちゃんの耳、腐っちゃうって? それは大変ですって!」
提督「蒸れるということは、汗をたっぷり吸い込んでいるということだ」
58「提督、とうとう頭がおかしくなったでちか?」
呂「でっち、でっち。でっちが耳を塞いでるから、ろーちゃんよく聞こえないですって」
58「聞かない方がいいでち……」
提督「大鯨の汗をたっぷりと吸い込んだタイツ。つまりそれは、鯨の出汁を吸い込んだと同義ではないか」
58「全然違うでち」
提督「大鯨の使用済タイツを使えば、鯨出汁が取れる。俺はそう思った」
58「提督、そもそも大鯨は鯨じゃないでち」
提督「いや、そこは大して問題ではない」
58「え? 鯨出汁が必要だったんじゃないでちか?」
提督「それはそれ、これはこれ、だ」
58「は?」
提督「俺は、鯨出汁より、大鯨出汁の方が食べてみたいと思ったのだ」
58「もう、色々と手遅れみたいでち……」
提督「大鯨の白く健康的なふくらはぎ。そして、太もも。さらにタイツということは……」
58「もう、帰るでち」
呂「でっち、一緒に泳ぎに行きたいって。伊号のみんなで潜水しようって」
58「そうでちね。せっかくのいい天気だし、みんなで泳ぎに行くでち」
提督「タイツということは、だ。大鯨の、大切な部分も包み込んでいたことになる。そこから発せられた熱気、そして汗も吸い込んでいたというわけだ」
呂「マル・ユーも誘おうって。マル・ユーとも一緒に泳ぎたいって」
58「そうでちね。大鯨も誘って、少し遠くに行くのもいいでちね」
呂「やったぁ! ろーちゃん、大鯨のカレー、大好きですって! 早く行くって。ろーちゃん、行きたいって!」
58「そうでちね。あと、ゴーヤは、でっちじゃないでち」
提督「つまり、大鯨のタイツは、大鯨のすべてが……って、誰もいない……」
「潜水艦隊の憂鬱」その1完
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