7: ◆c4DUj3OH/.[sage]
2015/12/31(木) 12:12:24.72 ID:YFxFRnZkO
扶桑「それに……」
扶桑は一旦言葉をそこで止めた。
そして山城が続ける。
山城「“それ”は、私達よりも不幸な人に渡すわけには行きませんでしたから」
そう言って、悪戯っぽく微笑んだ。
扶桑「じゃあ山城、私達はこのへんで失礼しましょうか」
山城「そうですね、姉様」
扶桑「では、提督。お休みなさい」
山城「お休みなさい」
そう言って、扶桑と山城は執務室を後にした。
提督「……次のカードは?」
扶桑達が出て行ってしばらく。
出しっぱなしのトランプを何となく眺めていた時、ふと疑問が降ってきた。
あの時、扶桑達が3枚目のカードを引いていたら、どうなっていたのだろうか。
その疑問を解決すべく、俺は山の一番上のカードに手をかける。
提督「スペードのジャック」
なるほど、あの2人は本当に運が無い。
提督「それとも……運が無いのは俺の方かな?」
あの時、俺がヒットを宣言しカードを引いていれば、このカードは俺のものになっていたわけだ。
提督「確かに俺は運が無い」
スペードのジャックが歪む。
カードが曲がることも気にせず、俺は強く握りしめた。
涙が一粒。ぽとりとカードに落ちる。
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