過去ログ - 曙「アンタと過ごしたい訳じゃないけれど」
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2: ◆1VwSTfn.DM[saga]
2015/12/31(木) 12:46:46.36 ID:HiuHEvpUO

「それじゃあ、行ってくるね」

「せっかく片付けたんだからまたすぐに散らかしたりしないでよ?」

「それは私じゃなくて漣に言うことね……あー寒」


 潮と朧、司令部を出て行く2人を見送るために玄関まで付き添ったのはいいのだが、広過ぎて寒い。 玄関と名を打っていてもその広さは一般の玄関の数倍はあるからだろうか。

 寒がる私とは違い、出掛けるべく着込んでいる2人は吐く息こそ白けれど寒がる様子はない。 潮のマフラーが少し羨ましい。 その持ってる大荷物の中にカイロとか入ってたりしないかな。

 そんな私の思いを気取ったのか、潮が心配そうに首を傾げる。


「曙ちゃん、部屋に戻ったら? 寒いでしょ? 無理して見送りしてくれなくても良かったのに」


 期待外れ。


「寒いけど、一応年内最後の顔合わせだからさ」

「最後も最後、大晦日だけどね」


 続ける朧は素っ気なく。 と言っても心配する程でもない、という感じなのは朧らしくも思う。

 大晦日。 1年の締めを飾る365日(或いは366日)で何番目かには大きなイベント感を感じる日だ。 人によってはバレンタインとかクリスマスとかの方が大きいだろうけど。 私の今年のクリスマスは散々だったな、クリスマスじゃなくてクリスマスイブだけど。

 さて、その大晦日に潮と朧の両名は荷物をまとめて何処に行くのかというと——


「まあ、実家に帰ると言っても顔見せする程度みたいなものだし、2日には帰ってくるから、年内最後だなんてかしこまらなくてもいいよ」

「あ、でも漣ちゃんのこと、よろしくね」


 実家への帰省。 艦娘にだって肉親はいる奴にはいるし、事実この2人以外の艦娘も帰省している。

 というか、今年はほぼ全員帰省組だ。 この2人が多分最後。

 ほぼ、と言うのも艦娘になってからの私は年末年始を毎年ここで過ごしているから、今年も例年通り。

 それが私の大晦日。



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