過去ログ - 【悪魔のリドル】春紀「あれから」
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14: ◆UwPavr4O3k[saga]
2016/02/04(木) 04:11:48.16 ID:dbDR2CMg0
※ニオ視点





 ニオ「……」


あれから、"ミョウジョウ学園付属"の総合病院へと運ばれた春紀さんに緊急手術が行われることになった。

目玉を弄られた事によって細菌が著しく視力を低下……もしくは、失ってしまうかもしれないという事を聞いた時、私は自分の目を差し出したいと思った。

私のせいで、直接的な関係は無い彼女が巻き込まれてしまった。



その時、自分自身の奥底から響く声に気付くことが出来たのは………"自分何て消えてしまえばいい"と、少しでも考えたからなのかもしれない。


 『チッ、"入れ物"を貸した位でいい気になってんなよ、偽者』


 ニオ「(……あなた、は。)」


 『早く体を返してほしいッスけどねぇ〜? いつまでも寒河江春紀と御飯事してもらっちゃ困るんスけどォ)』


寒気。

粘々とした、怖気を感じる笑みを張り付けたまま赤い双眸で私を見つめていたのは、もう一人の私。

その姿は、以前意識を取り戻した時に見ていた姿見に映る自分自身の姿。


 ニオ「(走り、"鳰")」


 『お前はただのウチが作った"代わり"。これで理解したッスか?でなきゃ、(((((この力をお前が使いこなす事なんて出来ない))))』


瞳が一層赤く輝いたかと思うと、まるで自分の思考自体が全て上書きされる……ザラザラとノイズが掛かったかのように、その言葉以外の全てが消え去っていく。

浸透した言葉は、やがてそう思う事が"当然"だと、私の頭の中を支配していく。


でも、私は強く頭を振り払う。それまで浮かんでいた全ての走り鳰のイメージが、弾けていく。



ハッと気付いた時には、時計の針が20時を指していた。春紀さんが運ばれてきたのは18:00だから、もう二時間も意識を失っていたのだろうか。

まるで夢の中にいた様なふわふわとした感覚に陥っていた私は、ふとポタポタと滴る液体を袖で拭う。

異常な量の発汗に、凄まじい寒気を感じる。


 ニオ「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」


そして、不意に見やったその視線の先。



悍ましい程に強烈な視線を湛えた、"黒い獣"の様な気配が―――――――――








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