過去ログ - 【悪魔のリドル】春紀「あれから」
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3: ◆UwPavr4O3k[saga]
2016/01/01(金) 06:14:27.28 ID:LlP1D8Wk0






 春紀「ふぅ……」


時刻は昼。まだ身体に無理をさせる訳にはいかないと、土方仕事ではなくスーパーのアルバイトから始める事にした。

休憩時間になってもせっせと働き続けるニオを遠巻きに眺めながら、ビリビリと痺れて上手く動かせない両手に視線を落とす。

両脚もガクガクと膝が震え、立てたとしても歩くのは厳しい。それでも杖を突かずに済んでいるのは、この症状が長くは無い。

"不規則にやってくるが、じわじわと症状は弱まっていく"。それが残された障害。

店長はとても気前が良い人で、この障害があるという事を理解した上でここに置いてもらっている。

本当に、感謝してもしきれない。

だけど、失敗だと思った事もある。


 兎角「……………」


専業主婦よろしく自宅の警備+家事を担当していた筈の東が、このスーパーで働いていたという事。無言でアタシを見下ろしている。


最初は名簿の中に東兎角が見えた時点で辞退しようと考えたが、店長さんの人の良さや家からの距離などを考えて入った。

入って早々、全力でぶん殴られたけど。


 兎角『……仕方がない、事にしてやる。私なら、まだ譲歩してやる』

 春紀『っつつ……ごめん。暫くしたら、また辞めてくから』

 兎角『晴には絶対に関わるな。もうこれ以上面倒事に巻き込むな………絶対に巻き込まないでくれ。』


初めは怒りに満ちていた表情が、少しずつ悔しげな表情へと変わっていったのがとても記憶に残っている。

そして、ぶん殴られた頬の痛みも。

本当に、アンタは晴ちゃんを救えなかった事を今もずっと悔やんでいるのか。

走り鳰の幻影は、今も東の頭にチラついている……かもしれない。


 
 春紀「……えーっと、どうかしたんかい?」

 兎角「売れない」

 春紀「え?」

 兎角「どうやっても売れないんだ、私の担当場所のウィンナー」


………今は、どうやらスーパーの事の方が頭を埋め尽くしてるんだろうな。










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