過去ログ - 【悪魔のリドル】春紀「あれから」
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4: ◆UwPavr4O3k[saga]
2016/01/01(金) 06:16:04.79 ID:LlP1D8Wk0
春紀「……という訳なんだ」
ニオ「はぁ」
兎角「………」
ニオ「(凄い剣幕で見つめられますね……)」
春紀「(まぁ、色々と思うところはあると思う)」
兎角「……ニオ、だったか。何か策はないか?」
ニオ「あっ、えぇっと……その、頑張って笑ってみる、とかですかね?」
兎角「笑う……」
ニタァ。
そんな擬音が聞こえてきそうな不敵な笑みと共に鋭い視線を向ける兎角の表情は、とても人が寄り付くようなものとは言えないだろう。
普段から無口・無表情で過ごしている東を見れば、まぁそれは笑う事が難しいと言われても分からなくはない。
でも、あの胡散臭さ全開の笑みからふわりと柔らかい笑みを浮かべられるようになっているニオを見ると、そうは思えない。
兎角「ふん」ニタニタ
ニオ「…っ…っ……」ピクピク
春紀「(これ、止めた方がいいか? めちゃくちゃ笑い堪えてピクピクしてるしなぁ)」
兎角「こんな感じか……どうだ、ニオ」ニチャッ
ニオ「ぶふっ」
春紀「あ、あー! 良いんじゃねぇかな? 結構笑えてるじゃん、うん」
兎角「そうか。感謝するぞ、ニオと寒河江」
限界を迎えて口元を抑えながら噴き出すニオを急いで後ろに隠しながら、苦笑いを浮かべてアタシが前に出る。
まぁでも、無表情よりは多分マシ………だと思いたいこの笑顔。
ただ、そこでアタシとニオに感謝の言葉まで口にしたのは意外だと思う。
それ以前に、アタシや"走り鳰"の姿をしたニオは東にとって最も目にしたくない存在であると言えるだろう。
それでも、こうして普通に話しかけたりしてくるのは――――――――晴ちゃんの影響だろうか。
チラつく。
『……あ゛ッは。お前、は、"東のアズマ"の、本物を―――』
互いの額が叩き付けられ、倒れ込む瞬間に呟いた走り鳰の言葉が。
春紀「……」
ニオ「また考えこんじゃってますね……」
兎角「まだ脳がおかしいんじゃないか」
ニオ「まだ一か月くらいですから、仕方ないんですよ」
春紀「はっ……あ、あぁ、どういたしまして」
ニオ「もう仕事の時間ですよ」
兎角「……」
春紀「あぁ、ごめんごめん」
頭を振り払い、痺れの収まった両手を軽く動かしながら、ニオと同じ持ち場へと歩いていく。
歩いていく一回り小さい後ろ頭を眺めながら、一つ気付いた事があった。
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