過去ログ - 理樹「今年もよろしくお願いします」
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13:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/03(日) 23:18:23.81 ID:rsmmadN+0
理樹(残るあの2人の姿が見えない。そう思っていると恭介が肩を叩いて教えてくれた)
恭介「おっ、見ろ理樹、能美と来ヶ谷がくじ引きしてるぞ」
理樹(視線の先を追うと、確かに後ろ姿が見てとれた。どうやらちょうどクドがクジを引いたところだった)
クド「かもんひっとみー!なのですっ」
ペラッ
クド「わっ!100番です!100番ですよ来ヶ谷さん!」
来ヶ谷「うむ……」
理樹(はしゃぐクドに対し、少し考え込んだような来ヶ谷さん)
クド「お兄さんっ、100番はどれですかっ。そこの望遠鏡だと嬉しいです!」
店番「ごめんねキミ、100番以降は全部ハズレなんだよ。はいこれ残念賞のピロピロ」
クド「が、がーん…」
理樹(キリが良くて大きな数字だから期待したんだろう。確かに当たりは1や10の少ない数字だった)
クド「望遠鏡…欲しかったです…」
理樹(落ち込みムードのクドを見た来ヶ谷さん。一瞬、その目が怪しく光ったような気がした)
来ヶ谷「貴様、もう一度今のクジを見せてみろ」
店番「えっ」
理樹(男の人がいきなり貴様呼ばわりされてたじろいだ)
来ヶ谷「ふむ…100番以降が当たりだったな?」
店番「そ、そうだが」
来ヶ谷「数えてみたがどう考えてもクジが100枚も入っていないな?賞品の並びからしてこれまでに当たった形跡も見あたらないが」
店番「なんだ、もしかして俺がサマをしてるって言いたいのか!」
クド「く、来ヶ谷さん!?」
来ヶ谷「なんだ、してないのか…」
店番「もちろんだ!ふざけんな!」
理樹(えらくあっさり引くんだなと恭介が言ったと思ったら来ヶ谷さんがおもむろに自分の財布を取り出した)
来ヶ谷「では、そのクジを全部買おう。そうすれば全部当たるはずだな」
店番「なっ!!」
来ヶ谷「ま、数学的にありえないがね」
理樹(そう言って財布からお札を引き抜こうとすると店番は慌ててその手を止め、絞るように声を出した)
店番「すいません…やめて……」
来ヶ谷「…ふむ。まあここで騒ぎを起こしていたずらに周りの興を冷めさせるのは得策ではないな」
理樹(そして男の耳にボソッと呟いた。なんと言ったんだろう)
来ヶ谷「では今すぐ店を畳んで、そこにある……」
恭介「……理樹、あっち行くか…」
理樹(冷や汗を浮かべた恭介が僕の手を引っ張る。怖くてもうもう見ていられないんだろう)
店番「…………」
来ヶ谷「〜〜〜」
クド「〜〜〜!?」
理樹(移動中、怖いもの見たさで後ろを振り向くと、落ち込んで店をたたむ顔と、不敵な笑みで驚く友人を愛でる顔と、いきなり大きな望遠鏡を手渡され戸惑っている顔があった)
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