5: ◆Freege5emM[saga]
2016/01/03(日) 17:37:10.70 ID:d/9JR/ulo
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俺が、台所で洗面器のお湯やタオルを用意してから部屋に戻ると、
志希はベッドの上で着替えを広げていた。
「ねーねー……プロデューサーは、どの下着がお好みかな?」
俺は、洗面器のお湯をぶちまけてやりたくなる衝動を、やっとの思いで自制した。
「最近、分別がついてきた……と思ったら、お前は」
「えー、キミだって、一人暮らしの弱ってるオンナノコの元に押しかけて、
世話焼いてくれてる……ってことは、こーゆー役得、期待してるでしょ……」
俺は志希の問いを否定しなかった。
すると志希は『これぞ、プロデューサーと担当アイドルの以心伝心っ』とか言い出した。
嫌な以心伝心だ。
「ふっふー……今の志希ちゃんは、弱っちゃってるから、
襲われちゃっても、逃げも隠れも抵抗もできないよー……」
志希の胡乱な眼差しも、汗ばんだ肌も、好き放題に波立つ長髪も、
そういう気怠さを纏った志希は、いつもより艶めかしかった。
「はいはい。いいから、志希は早く風邪治せって」
「もー、紳士ぶってるんじゃないよー。キミから生唾の匂いがしたぞー。
あたしには、キミの下心なんてお見通しなんだー」
だが相手は病人だ。
「別に俺はシてもいいけど、お前、色々な意味で具合良くないじゃないか。
ほら、人間は体調が悪いと、まず粘膜が荒れるだろう?」
「……キミのそーゆー明け透けな言い方、キライじゃないよ」
艶っぽい雰囲気を思いっきりぶち壊してやると、志希は呆れて微笑した。
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