過去ログ - モバP「ゆくウサミン、くるウサミン」
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1: ◆0vdZGajKfqPb[sage saga]
2016/01/03(日) 23:09:02.01 ID:1/V0GUNq0
年が明けた。

また一つ歳を取ってしまうなあ、とか。
この時期はどこも高級食材ばかり売ってるなあ、とか。

そんなどうでもいいことばかり考えてしまって、いまいち年の明けた実感は湧かないなあ、と思う。
お正月の番組は、二ヶ月前とかに収録してしまうこともあるから、なおさら。

一人暮らしのアパートだと、門松を飾るなんてこともなくて。
遅れ気味の大掃除をしながら箱根駅伝を見て「そっか、お正月かあ」とようやく思い始める。

そんな、ウサミン星の、2016年お正月。

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2: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:09:57.76 ID:1/V0GUNq0
ハッキリ告白してしまうと、私、安部菜々はかなり緊張していた。
だって、それはそうだ、今日は夕方にプロデューサーさんがやってきて、二人きりで鍋をつつくことになっている。
それはつまり、お正月におうちデート、みたいなことで。

毎年恒例になった元旦ライブを終えた、初詣の帰り道。
以下略



3: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:10:49.95 ID:1/V0GUNq0
プロデューサーさんが空いている時間帯……つまり3日夜来るということをメールで連絡してくれて。
それから先は、ひたすら部屋の掃除と食料調達をしていたら1月2日が終わっていた。
今日、3日の昼すぎにはどうにか男の人を上げられるような状態になったので、お茶をいれて一息つく。

部屋を訪ねられるのは今日が初めてではないけれど、それでも、やっぱり緊張してしまう。
以下略



4: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:11:33.26 ID:1/V0GUNq0
お気に入りの私服に着替えてそわそわしていると、チャイムが鳴る。

「は、はーい!」

ちょっと上ずってしまった声でそれに応えて、鍵を外しドアを開ける。
以下略



5: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:12:23.28 ID:1/V0GUNq0
プロデューサーさんが持ってきた切り身を台所で切っていると、ちひろさんが近づいてきた。
プロデューサーさんは、ガスコンロのセッティングをしてくれているらしい。

「いやー、すみません。私は全力でお断りしたんですが」

以下略



6: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:12:57.23 ID:1/V0GUNq0
「ちひろさん、こないだの鍋パも来れなかったじゃないですか。だから、良かったんですよ」

女子亮で開いたクリスマスの鍋パーティーは、それはそれで楽しかったけれど。
年齢層とか諸々の事情もあるし、海鮮もお酒も無かったので、ちょうどよかったといえば、ちょうどよかった。

以下略



7: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:13:36.92 ID:1/V0GUNq0
最近はスーパーに出来合いのスープが何種類も売られていて、便利だなあと思う。
大皿に野菜やお豆腐、きのこ、鶏肉とお魚を並べて、ガスコンロの火をつける。
土鍋にとくとくとスープを注いで、冷やしておいた缶ビールを用意。

「トマト鍋やカレー鍋なんてのもありますけど、今回はシンプルに、和風ベースの寄せ鍋にしてみました」
以下略



8: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:14:26.06 ID:1/V0GUNq0
「さ、具材も投入しましたし、乾杯しましょう、乾杯!」

それぞれが、コップに手酌で琥珀色を注ぎ込んで。

「えーっと……それでは、事務所のみんなの更なる活躍を願って!」
以下略



9: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:15:04.62 ID:1/V0GUNq0
そんなこんなで、鍋パーティーは始まって。

「ほらプロデューサーさん、お豆腐煮えましたよ! はいっどうぞ」

「っと、悪いな」
以下略



10: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:15:34.51 ID:1/V0GUNq0
「そういうのじゃないんですけど……菜々さんってほら、周りを立てて自分は引くタイプじゃないですか」

恋愛を含めてですけど、と言外に含めてちひろさんは笑う。

「鍋奉行って感じでもないし、仕切り屋ってわけでもないから、空気が悪くなるってことはないんだけどな」
以下略



11: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:16:40.36 ID:1/V0GUNq0
「俺はさ、そういうとこも菜々のいいとこだとは思うよ」

「分かってないですねえプロデューサーさんは。いざって時に一歩引いちゃうのは、アイドルとしては致命的ですよ?」

「いやいやいや、それとこれとは話は別でしょう。菜々のこと何年見てるんですかちひろさんは」
以下略



12: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:17:50.41 ID:1/V0GUNq0
「ほ、ほらお二人とも、煮詰まっちゃいますから食べましょ、ね?」

「菜々さんは、もっと積極的になるべきだと思うんですよね私は」

「いろいろチャレンジしてるでしょ。俺のプロデュース方針に口出さないでくださいよ」
以下略



13: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:19:18.25 ID:1/V0GUNq0
「もう知りません、二人にはシメの雑炊あげません!」

「すみませんでした」

「ごめんなさい」
以下略



14: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:30:16.53 ID:1/V0GUNq0
「みくちゃんと菜々さんの活動も最近増えましたよねー」

「ビジュアル面も声質も近いものがあったし……何より、本人たちが仲いいからな」

余ったスープにごはんを入れ、溶き卵を落としていったん蓋をする。
以下略



15: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/03(日) 23:45:57.25 ID:1/V0GUNq0
「……お酒甘いなあ。菜々さん、私帰っていいですか? この人置いて」

いや、それは、困る。

「まあ、終電もないですし、今日はパジャマもってきましたけど」
以下略



16: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/04(月) 00:04:12.02 ID:f2y25RHM0
夜が更ける。
2016年の始まりがこんな調子なのは、うん、私たちらしいかもしれない。

初詣のお願いは、一昨年も去年も今年も、きっとプロデューサーと同じ夢だと思うから。

以下略



17: ◆0vdZGajKfqPb[saga]
2016/01/04(月) 00:09:47.75 ID:f2y25RHM0
(SSR引けて)ないです つらい

今年もよろしくおねがいします。


18:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[sage ]
2016/01/04(月) 00:42:58.49 ID:i3glCmQ4o
乙!


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