8:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/04(月) 00:05:36.10 ID:bBjfBo6F0
うふふ、という含み笑いが聞こえてきた。今電話の向こうでどんな顔をしているかを想像すると、一刻も早く電話を切りたくなってしまう。
『いや、愛しの彼からプレゼントは貰ったのかなーって思って』
とくん、とまた心臓が跳ねた。
「……馬鹿馬鹿しい」
『ありゃ意外。愛しの彼の存在は否定しないんだ? 誰を想像しちゃったのかなー?』
「切るわね」
言って、一方的に通話終了ボタンを押してソファに沈み込む。けらけらという笑い声と一緒に「今年もよろしくね」と言っていた気がするが、気にしないことにする。
「ホントに姉さんは……もう」
机上のお気に入りのパンさんぬいぐるみを掴むと、それを優しく抱きしめた。
「……はあ」
誰を想像したのかなんて、聞かなくてもわかってるくせに。いや、わかってるからこそ聞いてきたに違いない。
だが何よりも悔しいのは、姉の予想に寸分違わぬ想像をしてしまったことだ。
ソファに鎮座する携帯電話を見やる。
通知は、まだ来ていなかった。
× × ×
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