過去ログ - 沙紀「プロローグへ手を伸ばして」
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1: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 20:50:42.53 ID:xFAhg3u30
・吉岡沙紀ちゃんのSSです
・なかなかデレステに追加されないのでコミュをでっち上げることにしました
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 20:51:19.61 ID:xFAhg3u30
出会いの印象は最悪と言っても過言じゃなかった。
「アイドルに興味ないかな?」
3: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 20:52:06.62 ID:xFAhg3u30
「そういうチャラいのはキライっす」
いまだからこそアタシもずいぶん過剰に反応しちゃったなっておもう。
4: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 20:53:07.49 ID:xFAhg3u30
小綺麗なスーツ。
少し汚れてる革靴。
5: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 20:54:41.63 ID:xFAhg3u30
逆にアタシは塗料の飛び散った兄貴お下がりの黄色いパーカー。
使い古した手袋。
6: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 20:55:31.29 ID:xFAhg3u30
「名刺あるから、それで信じてもらえれば」
軽めの言葉で差し出してきた名刺にはプロデューサーっていう見慣れない文字が書かれていて、
スカウトってこんな感じなのかぁって心の中でつぶやく。
7: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 20:56:24.73 ID:xFAhg3u30
「最近できた事務所だけど、一応話題にはなってるはずなんだけどなぁ」
弁明する自称プロデューサーは少し困ったような顔をしてこっちを見た。
それすらアタシを騙すための演技なんだと疑っちゃって、見えない壁を三重くらいで立てておく。
8: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 20:57:35.25 ID:xFAhg3u30
「じゃあ、どうやったら俺のこと信用してくれる?」
それを人に聞いちゃうか。
9: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 20:58:24.08 ID:xFAhg3u30
「初めて?」
「あぁ」
10: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 21:02:50.81 ID:xFAhg3u30
「それで」
すっかり興味のなくなった名刺を乱暴にポケットに入れる。
少し汚れちゃったけど別に気にしないし、渡してきた向こうも承知の上だ。
11: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 21:06:46.67 ID:xFAhg3u30
「そりゃあもちろん、かわいいとおもったから」
「やっぱりナンパ」
12: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 21:07:32.18 ID:xFAhg3u30
それが事実かどうかなんてどうでもよくて、結局見た目なんだ。
そりゃあ喋ったこともない人間相手なんだから、
まず一番最初に外見を褒めるっていうのはわかる。
13: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 21:09:03.67 ID:xFAhg3u30
「あと、楽しそうだったから」
「楽しそう?」
14: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 21:10:02.88 ID:xFAhg3u30
「へー、女子高生なのに選曲がかっこいいね」
「なんでアタシのこと女子高生って決めつけるの?」
15: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 21:11:51.27 ID:xFAhg3u30
目を細めて自称プロデューサーをじっと見るけど、話せば話すだけ怪しく見えてきた。
「どれだけ変質者って決めつけたいんだ。いや、言葉が足りない俺が悪いのか」
16: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 21:12:29.46 ID:xFAhg3u30
「そっか」
気付いたらあの人の姿はなかった。
17: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 21:13:10.07 ID:xFAhg3u30
そして次の日。
同じ場所に、同じ時間に、同じ格好をした人が声をかけてきた。
18: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 21:15:15.70 ID:xFAhg3u30
「それがよくわからないっす。アタシはただのグラフィティ好きな普通の子っすよ」
「自分がどれだけ魅力のある女の子かって理解した方がいいよ」
19: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 21:17:25.60 ID:xFAhg3u30
「おっ」っていう驚いた声が気になって、トマトソースみたいな赤がたまった容器から視線を移動させる。
「初めて笑った」
20: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 21:20:06.30 ID:xFAhg3u30
三日目。
やっぱり来た。
ただ今度はアタシから待ってみた。
21: ◆ksPx5/M7Wg[saga]
2016/01/04(月) 21:21:41.55 ID:xFAhg3u30
三枚目の名刺。
当たり前だけど、こんな人はいままでいなかった。
「劉備や秀吉もこういう気分だったのかな」
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