過去ログ - 【十年後合同】10度目に立ち上がったその時に【デレマス・南条】
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3: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2016/01/07(木) 03:15:10.33 ID:mApX9qsv0
…思い返せば、出会ってから長いものだ。

芸能事務所でプロデューサー業を始めたは良いものの、自他共に認める変人たる僕である。
普通の子にドレスとガラスの靴をあてがっていく仕事は、元より性に合わなかった。
できたのは、普通じゃない子を、普通じゃない方法で輝かせていくやり方だけ。
そこにやってきた「普通じゃない子」が、まだ14歳の光だった。

開口一番、アイドルではなくヒーローになりたいと言い切った彼女。
それはたしかにとびきり特殊だったし、それ以上に僕の領分でもあった。
ただ、最初はあくまで僕を業界人と見てか、光の態度はまだかなり他人行儀で硬かった。
これでは僕もエンジンがかからない。間もなく訪れた年の瀬は休業状態で過ごした。


そして、はじめて迎えた2月14日。

「今日は…水爆怪獣の命日か」

「あー、あの水爆発射を邪魔させない怪獣か。よく一平は謹慎と左遷で済んだよなアレ」


光の独り言に、思わずそう僕が答えた時の驚きようは忘れない。
「ジャンボーグA」の話など、14歳の少女の友人ではまずついていけないだろう。
かくいう僕も光がそこまでディープな子だと知ったのは、この時が初めてだった。
にも関わらず話に乗れたのは、僕も「怪獣VOW」を自然に手に取るような輩だったというだけだ。

その日から、光は僕にありのまま、自然体で接してくれるようになった。
「レインボーマン」についてツッコミながらも語ったり、自分の部屋にある「MOVIE大戦MEGAMAX」のポスターを自慢してきたり。
何にも邪魔されずに自分の好きなことを話し、満面の笑みを浮かべる光の姿は、もらった義理チョコよりよほど魅力的だった。


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