過去ログ - 【十年後合同】10度目に立ち上がったその時に【デレマス・南条】
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9: ◆oZuontUvSM[sage saga]
2016/01/07(木) 03:28:24.03 ID:mApX9qsv0
「怖かった…怖かったよぉ!プロデューサーだから、一線超えちゃいけないとか言われたら、アタシ…!」

「世界で一番好きな子にそこまで言われて、断わるバカいないよっ…!」

光の涙が僕の肩を濡らす。涙声と嗚咽が止まらない。
抱き合っているこの瞬間だけは、光は特撮好きなだけの、普通の女の子。
それは僕と出会ったあの日と変わらないけれど、ヒーローも、アイドルも、
そしてそのどちらでもない光も全部が愛おしい。

僕も泣いてしまいそうだったけれど、まだ泣き崩れるワケにはいかない。
この重みが、こんなに頼もしいものになるなんて。

「え…?」

「これ、開けてみて」

回した手を不意に離されて驚く光に、ポケットから取り出した小箱を差し出す。
中にあるのは、指輪。
それも、ただの指輪じゃない。光が一番付けたいだろう指輪。

「うそ…これ、インフィニティーリング!?」

「撮影終わったら僕から言うつもりで、準備もしてたのに。先、越されちゃった」

光の指のサイズも、好みの宝石も、好きな造形もわかっているのは『指輪の魔法使い』のおかげだった。
婚約指輪として付けやすいサイズまで小さく調整してあるけれど、
その装飾は紛れもなくそのヒーローのものと同じ。
本物のリングを造った、小道具製作集団に協力してもらった代物だ。
宣材写真のリベンジのために向かった関係者先で、頭を下げに下げた価値はあった。

「光と結ばれるなら、コレしかないと思ったんだ。『10年越しの指輪』じゃないけど」

「嬉しい…すごく嬉しい!アタシ達の10年分掛けた思い、ドライブにだって負けてない!」

指輪を嵌めて、子供みたいに喜ぶ。
そして今度は、光から僕に抱きついてきた。
また涙声になりながら。


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