過去ログ - 結衣「うたかた花火」 【俺ガイル】
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70: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2016/04/13(水) 01:18:51.69 ID:ZBNG2Zf6o
見慣れた廊下を必死に走って教室に入ると、そこには優美子の姿があった。
「結衣!? どうしたの!?」
あたしの様子に面食らった優美子は心配そうな声であたしに歩み寄ってくる。
その優しさは嬉しかったけれど、それに触れてしまったら涙が止まらなくなってしまいそうだったから、荷物を手に取ってそこからもまた逃げ出した。
「ごめん、また今度ね」
「結衣っ!!」
優美子の焦りの混ざった声は聞こえたけど、あたしは振り返らなかった。
景色が猛スピードで流れていくのを横目にただ走る。自分でもどうしようもない感情の濁流が足を強引に動かした。
そうしてあたしは逃げ出したのだ。ヒッキーからも、ゆきのんからも、そして奉仕部からも。
たくさんの思い出をその部屋に置いてけぼりにして。
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