過去ログ - 結衣「うたかた花火」 【俺ガイル】
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72: ◆.6GznXWe75C2[saga]
2016/04/13(水) 01:19:54.99 ID:ZBNG2Zf6o
するとその時、赤い光が辺りを包み込み、少し遅れて重い音が押し付けられるように耳の奥にまで響いた。
驚いて振り返ると消えかけのさかさまのハートが真っ黒な夜空に浮かんでいた。
本当はあのハートだってちゃんとした方向に打ち上げたかったはずなんだ。でもほんの少しの違いのせいで無様な結末を迎えてしまった。
「何をまちがえちゃったんだろう」
あたしは誰かにこたえてほしかったのかもしれない。
応えと答えを求めていた。でも誰も応えてくれないし、答えも見つからない。あたしの耳に届くのは遠くの人ごみから風にのって流れてくる騒がしい声だけだ。
「……あれ?」
そこで、ふと気がつく。
ベンチに座っている二人の姿は薄くぼんやりして見えていたのだ。
それは今そうなったわけじゃなくて最初からずっとそうだった。あたしが気にもしていなかっただけで。
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