過去ログ - 蘭子「安価で飛鳥ちゃんの事が好き…!」【デレマス】
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2:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/09(土) 02:03:56.71 ID:6USBcCuio
 ちく、たく。ちく、たく。

 暗闇に滲むようなオレンジの電気灯の下、ふと見てみれば、もう11時を回ろうかという頃合いだった。
 あまり広くは無い相部屋の、そのスペースを無駄にはすまいと、なるだけ二人の趣味に合致するようにして選んだ家具。取り立てて聞ける音が、その一つであるアンティーク風の時計が刻む秒針の音だけになってからもう暫く経つ。
 この時間、いつもなら寝ているのは私で、こうして秒針の音に耳を傾けているのは彼女の方なのだけれど、今日のところの彼女は珍しく夜更かしを諦めたようだった。
 とどのつまり、それだけ強い眠気に襲われたという事でもあるので、こうしているときばかりは、普段眠りの浅い彼女も、随分と深く気持ちよさそうに眠るものだ。

 して、そうと知れたならば、その時の私は決まって狸寝入りを決め込んで、彼女が眠ったのを確かめるや、こうして少しだけ夜更かしをしてみせる。

「……飛鳥ちゃん」

 返事はない。
 反応して身動ぎをしたように見えたのも、きっとびくびくと神経質になっているせい。

 ───だって、こんな時でもなければ、彼女の顔をじっと見つめているなんて、とてもできそうにはなかったから。


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