過去ログ - 蘭子「安価で飛鳥ちゃんの事が好き…!」【デレマス】
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以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします
[saga]
2016/01/09(土) 03:12:24.59 ID:6USBcCuio
「ぁ…」
なんて、自分でも随分と情けない声が出たと思う。
寝返りを打ったから向きが変わった、というだけではなくて、それだけ半身分彼女の温もりも遠ざかるのがわかった。
その時に、おあずけにされたと形容したくなってしまったのは、随分と身勝手なことだと思う。けれど、思ってしまったものは思ってしまった物で、ともすれば悪戯されたような気分にもなり、せめて寝返り一つ分の距離は詰めておかなければ気が済まなかった。
その時、弾みで彼女の横腹に手が触れたけれど、それぐらいでは寝息を乱す事もない。少し気になって、呼吸と共に背中が膨らむのが感じられるくらい迫ってみても、同じ。
…本当によく寝ている。
私はこうするだけでもほんの少し鼓動が強まったりもするのに、あなたはいとも事も無げに。───寝ているのだから当たり前だと言うのもそうだ。
だけど、それが普段の振る舞いに重なって見えたりもしたのだから、こんな時ぐらい少し意地悪をする気持ちが生まれていても許してほしい。
そっとおなかに腕を回して、蠱惑的ですらある香りのする首元まで顔を寄せて、ほんのり赤ら顔で飲み下す息一つ。
「…我等の魂が、永劫の誓いの下、共…にあらんことを…」
少し、調子に乗りすぎていたかも知れない。或いは、気付いて欲しかったのかも、とやってみてから思い付く。
羞恥を覚えるにはもう遅い。聞こえていたらどうするつもりだ、とは思えど、瞬間的にかっと熱くなった頭では、飛鳥ちゃんの反応の機微を伺うまでには至れなかった。
情けない真似をしたという自己嫌悪と、そのままの羞恥心に苛まれればそこまでが限度で、少しすると私は取り繕うように背中を向けて、気持ち丸まった姿勢で己を抱いた。
それから己を落ち着けて、自分も眠りに入るまでに、彼女二度目の寝返りでこちらに寄せてくるような事がなかった事だけが、最後の幸いだった。
もしこれが原因で寝坊しても、飛鳥ちゃんが起こしてくれる。…けど、その時はどう言い訳をしよう。
意識がある内の最後の思考は、そんなものだったように思える。
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